採用プロセスの一部に筆記試験をとり入れている国際機関は多い。通常応募書類でスクリーニングを通過した人対象に行われ、結果が良ければ最終選考者リスト(ショートリスト)まで残り面接に招待されることになる。ただしすべての機関が筆記試験をとり入れているわけではなく、同じ機関でもポストや雇用サービスによって実施しないところもある。外務省人事センターのサイトに国際機関の採用プロセスにおける筆記試験実施状況がのっているので参考にするといいだろう。http://www.mofa-irc.go.jp/apply/hikitest.html
書類選考だけでは絞り込みが難しいので、面接前にもうひとつ選考判断の基準を設けるというのが筆記試験の基本主旨である。ただし機関によっては面接候補者をすでに決めておいてその候補者対象にテストを行うケースもある。この場合は筆記試験と面接両方の結果が最終選考の判断に使われる。ちなみに面接の際に筆記試験のほかにプレゼンや他のテストをさせることもあるが、それは他の機会に書きたい。
大きな規模での採用キャンペーン(国連だど例えば翻訳官採用試験、ヤングプロフェッショナル試験など)以外の特定のポストに応募した場合、筆記試験に呼ばれたということは、書類選考を突破した4から15人程度の候補者の中にいることを意味する。
採用プロセスにおいて候補者選抜を目的としたテストのしかたはいろいろあり何も筆記試験に限る必要はないのだが、インターネットを使って手軽に企画でき、募集ポストの上司が自分で採点、判断ができることから、専門知識に関するテーマを2問程度出題しエッセイ形式の答えを書かせるケースが多いようである。普通は2時間程度を要する。
筆記試験採点基準において専門知識の比重の高さは当然だが内容と表現形式両方の要素のバランスがとれている必要がある。表現としては言いたいことが文法ミスやタイプミスなしの理解しやすいスタイルで、簡潔かつ明確に表されており、論点の構造と発展に筋が通っていること。内容の面では、まず質問に答えているか、そして専門知識の高さと自分の考えを持っているかなど、がチェックポイントとなる。
筆記試験の通知が来てから急に準備ができるものではないが、課題になりそうなトピックは空席広告からヒントを得られるので少なくても参考書類、サイト等の整理をやっておき、短い試験時間中に情報サーチ等に時間を取られないようにしておくべきであろう。また起承転結の節目で使う常套句をいくつか用意し、前もって論理の構造を作っておくという手もある。ただしこれはやり慣れてないとかえって焦りのもととなるかもしれない。いろいろな準備対策の経験をこのサイトのフォーラムで交換してみるのも面白いだろう。