国際機関でのキャリア開発

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国際機関の任務、機能は国際政治経済情勢の変化そして情報化、科学技術化、グローバル化等に影響される。それに伴い機関自体の構造の変化、役割の複雑化や多様化、地理的条件、予算やポストの不安定化など様々な要素が、採用条件、求められるプロフィール、そして職員のキャリアに反映されてくる。

国際公務員のキャリア開発の例を見ると、かっての同じ場で専門家として成果をあげ幹部レベルまで昇進、というパターンはどんどん少なくなっている。国連に関していえば、プログラム遂行に必要な仕事が多様化し、専門家と総合職の境界がつけにくくなってきている時代でもある。また可動性のないキャリア開発は難しくなってきている。

キャリアパスや専門分野、仕事環境等が複雑化し、明確で予測可能なキャリアプランが立てにくくなっているのも特徴である。ただし変化のタイムスパンは早くなっているので、頻繁なプラン調整が必要となる。

これらの傾向は国際機関だけでなく、グローバルな人材市場に見られるものだろう。このようにキャリアの多様性、不確実性が高まる中で、変化に柔軟に対応し、自分でキャリアを開拓していくという資質がより求められてきたといえよう。

国際機関でのキャリア開発は、機関、上司、本人という3部構成になっている。組織のキャリア開発サポートと上司はキャリア開発の重要な助けである。ただし、国際機関の人材政策でも « キャリアは自分で作るもの »と、個人の最終責任を明確に打ち出している。これからのキャリア開発には、自分の市場価値を常に高めつつ周囲のサポートを利用していく、という態度がより重要となるだろう。

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