サイコメトリックテスト

キャリア支援の際、候補者からアセスメントテストに関する質問をされることがある。一部の国際機関では採用選考の中にCompetency-Based面接 と共にサイコメトリック手法を導入しているからだ。採用プロセスの面接まで進んだところで、テストへの招待を受けるケースが多い。スクリーニング、筆記試験、面接という難関を越えて、さらに課されるテストに驚く候補者もいると思う。

コンペタンシー面接では、過去の成果を具体的に挙げさせ、将来の行動のパターンを推測する。テストでは、面接では測りきれない人間心理の構成概念(性格・知能・態度・認知・ 学力)を、候補者の答えと他の答えの統計とを比較分析して評価するわけである。この統計と心理学を合わせた ツールは人材資源ビジネス市場に星の数ほどある。ただしテスト自体有料である上 結果分析にはそれなりの専門性を要するので、 大規模に実地するのは難しい。よって適用している機関にしても、特に幹部候補者の心理的側面、将来における潜在的可能性をより精査する方法として使っているようだ。

よく知られているテストとして、Hogan, Wave, ビッグファイブなどがある。競争の激しいこの市場で特に大手なのが、日本にも支社のあるSHL (Saville & Holdsworth Ltd.)でその代表的ツール OPQ32は国際機関にもかなり食いこんでいる。OPQ32は、人間関係、社交性、影響力、共感性、思考スタイル分野の32の性格特性を測定するものだ。オンラインで候補者が質問に対し多数の答えの中から自分に最も近い、または遠い、と思うものを選んで進んでいき、30分ほどで終わる手軽さもうけている。結果として、候補者の強みと弱みが明らかとなり、統計と比較されて、仕事への適性が判断されるというわけだ。

本来ならば、文化のバイアスを防ぐために候補者の母国語の質問を使い、同じ文化圏のマネージャーの統計との関数を測るべきだが、そのような念入りなプロセスを実地しているところは皆無だろう。候補者のアセスメントをより正確にするため、一つのトピックに関して違う形で質問が何度もされるので、模範解答をしようと思っても無駄とされていた。また構造上、嘘の答えは分析官から見抜かれるとも言われている。しかし最近は、練習を重ねた方が良い結果が出るとアドバイスしているサイトもあり、驚かされる。

これらのテストには実地側としても、受ける側としても 何度か参加したことがある。個人的な感想だが、あまり結果がスムースで適性がぴったりという結果が出ると、信用できない気になる。またアジア人は一般に謙虚で自己の売り込みが苦手なので、素晴らしく影響力のある、 社交的マネージャーというプロフィールは出にくいと言える。前もって準備する意味はあまりないと思うが、心配な人はオンラインの無料サイコメトリックテストで練習し、やり方に慣れておくといいだろう。

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