あなたの弱点

国際機関の採用面接は概ねコンペテンシーベーストだが、それ以外の質問も出ることがある。その中でよく出されるものの一つが、”What are your strengths and weaknesses?”というもの。もっと単刀直入に”What is your greatest weakness?”と聞く機関すらある。ポイントは弱点であって強みではないからだ。

強みは誰でもアピールできる上、すでに面接初期の質問や履歴書で分かっているので優先度は低い。興味の焦点は短所にある。

”仕事熱心すぎで寝食忘れて没頭”、というような長所とも取れる答えをする応募者は多いがあまり感心しない。面接官もその種の回答には慣れているので情報価値がないばかりか、正直さを疑われることもある。

ではどういう弱みを述べるか。空席に書いてある職務直結のコンペタンシーは避ける。例えば広報のポストなのに人前で話すのが苦手といった場合。さすがに国際機関でそういう面接者に遭遇した経験はない。一般的な、しかし本当の弱点をあげ、それを意識し、克服する努力をしていると肯定的に終えるのがコツ。

多い回答例は、仕事の遅い人や進行のないプロジェクトへの忍耐力欠如、同僚に主張できず合わせる、仕事をたくさん抱えてしまう、繊細すぎ、締め切りギリギリでスパートなど。

面接官が注目しているのは弱点の種類や内容ではない。短所を素直に認め、それを克服する努力をしているという自己分析能力や適応、学習能力、円熟度を問いているのだ。将来この人と働きたいと雇用側に思わせるように、誠意のある答えでアピールしたい。

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