国連のカフェテリア

国連のカフェテリアやレストランは職員が休憩したり、食事をとったりする場所。外部から来ている外交団や代表と非正式に議論したり、交渉したりする場でもある。

大抵の国際機関では、職員用の他、改まった場として国際会議参加者用の少し静かなカフェを用意している。会議で決まらなかった課題が解決したり、契約が内定したりと飲食以外にも用途は広い。

カフェで働いている人達は国際機関職員ではなく外注の現地組織社員。とはいえ、毎日接しているわけだから職員にとっては顔なじみの同僚のようなもの。中にはかなり変化に富んだ生活で職員の注目を集めるものもいる。

これは国連欧州本部から国際電気通信連合に移って間も無くの頃のエピソード。大きな国連の職員食堂と違い、こじんまりした専門機関のレストランではコックがステーキやオムレツを個人の好みに合わせて焼いてくれる。さすがカルチャーが違うと最初は驚いたものだった。

週末、週刊誌を読んでいたら真ん中の身びらきページに見慣れた顔がある。よく見たら昨日ステーキの焼き具合を聞いてきたコック。びっくりして記事を読んでみるとフランスのロト(宝クジ)で莫大な額が当たったとの旨。

月曜日、宝クジ買いの秘訣でも聞こうと思い、早速カフェテリアに行ったが料理人の姿は見当たらない。通知も出さず即仕事を辞めていった模様。やっぱりなーと妙に納得できる体験ではあった。

国際電気通信連合時代には、その他にも食堂の従業員がテレビに出るケースが何度かあった。国際機関のカフェだから注目されるのか、本人たちの動向がよっぽど珍しいのか理解に苦しむが、職員の休憩時間がこの話題で盛り上がったのは想像できよう。

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