新入社員の季節に

新型コロナの春・・・ 桜は今年もきれいに咲きました | ニュース | 福岡ふかぼりメディア ささっとー

今回は元ILO職員、野口好恵さんの原稿です。

コロナ禍で、ロックダウン状態がもう一年になる。それでも季節は巡って花は咲き、鳥はさえずる春が来た。霞が関からの派遣で初めてジュネーブに着いてから、3月末で丸40年となった。読者の多くはまだ生まれていなかったかも?

日本の感覚だと、4月1日は新年度の始まり、会社には新入社員が入ってくる季節である。新卒一括採用、長期雇用、年功序列などが、バブル期には日本的経営の成功の秘訣のように言われたことを昔話のように思い出す。変化してきたとか変えなくてはとか言われる割には、少なくとも新卒者の就職活動がほぼ一斉に行われ、それを逃すと後から追いつくのは難しいという状態は今でも続いていると見える。私の頃には均等法以前で男女別募集、情報は紙でという時代だったが、リクルートスーツに象徴される同調圧力は今ほどではなかったような気もする。

国際機関ではそのような採用の仕組みは無く、即戦略になる者を随時いわば中途採用していることは、読者はもうご存知だろう。メンバーシップ型とジョブ型雇用の違い、と言われる。競争を勝ち抜かないといけないのは、採用時だけでなく組織内での昇進でも同じ。上のグレードに空きができて、内部外部の競争相手より自分が優れていることを示せないと始まらない。霞が関では同期生がある程度のレベルまでそろって上がっていくのに、国際機関ではヒラ職員のまま終わるのだろうかと思ったこともあった。

でも見方を変えると、国際機関への入り口は人生に一度だけではなく、他で経験を積んでからでも十分可能ということである。組織に入ること自体を目指すより、自分の専門分野を持って、何らかの国際的な課題に取り組んでいくという大きな道筋の中に、国際機関で働くことも視野に入れることを勧めたい。任地についても、選択の幅が広ければ可能性が広がる。採用だけでなくその後の昇進にも主体的に動けることが魅力だと思う。

筆者がこの季節に初めて着任したのは全くの偶然。当初2年の研修目的で来たはずが、一度帰国して数年を過ごした以外、定年退職まで職業人生の大半をILO事務局本部で過ごす結果になった。まるで反面教師だが、読者のキャリア構築の参考になれば幸いである。(ILO就職の経緯や苦労についてはこちらから)

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