米ロ首脳会談

アメリカのバイデン大統領とロシアのプーチン大統領による初めての首脳会談が、6月16日にジュネーブで行われることになった。ジュネーブにとっては久々の明るいニュースだ。

ジュネーブで両国のトップが顔を合わせるのは、1985年11月にレーガン米大統領と旧ソ連のゴルバチョフ大統領の会談以来35年ぶり。

過去数10年の米ロ首脳会談はレイキャビク、ワシントン、モスクワ、バンクーバーのほか、ヘルシンキ、リュブリャナ、ブラチスラバ、プラハで開催。イランとの核合意成立はウィーン、米北朝鮮会談は、シンガポールとジュネーブの出番はなかった。

ジュネーブ開催の背景には米ロの関係が緊張していることもある。現在米ロどちらも相手を自国に招待できない状況だろう。スイスの中立性や、米ロとの良好な外交関係も決断要素だったと思われる。

また世界で最も小さい国際都市と言われるジュネーブは、国連欧州本部をはじめ必要なインフラが完備。空港から会談の会場となる某ホテルまでは車で10分ほどと、安全管理もしやすい。

ジュネーブの100年に渡る多国間外交活動は2020年3月に大打撃を受けた。COVID-19の影響で国際機関はロックダウン、ほぼすべての国際会議がオンラインとなり、職員にもテレワークが導入された。おまけに国際性が裏目に出て、ジュネーブ州はスイスで一番COVID-19感染率が高かった。

これまでもシリア、イエメン、リビア、キプロスなどの重要な多国間交渉が国連欧州本部で行われている。今回の会談も仲介役に慣れているジュネーブならではの特性を生かし、国際外交中心地の名を確保したい。

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