国際機関2022年の活動

Image by Jody Davis from Pixabay

今年も紛争、食糧不足、気候変動等からなる様々なカタストロフィーが、世界各地で起こった。新型コロナウイルスが静まったと思ったら、ロシアのウクライナ侵攻が始まり一難さってまた一難という印象は強い。国際機関の災害対応にも期待が集まった。

コロナ下では、ジュネーブの世界保健機関(WHO)と世界貿易機関(WTO)が特に注目された。6月のWTO閣僚会議はワクチンの特許放棄など6つの貿易ルールからなるパッケージに合意し、途上国のワクチン実施に貢献した。

新型コロナウイルスはまだ終息しておらず、WHO加盟国は、将来の感染症の世界的大流行に備え「パンデミック条約」の議論を始めることに合意。法的拘束力のある条約を作り、コロナ禍で多くの国々が利己的な行動をとった事態を繰り返さないことを目指す。

ウクライナ戦争では人権や人道問題に焦点が当たっている。とりわけ国連人権理事会(HRC)と国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が中心的存在。HRCは人権専門家や団体、国際人権法専門家、政府代表などからなり、国連の人権政策を決定する機関でOHCHRはその執行事務所。

4月に開かれた国連総会は、ウクライナを侵攻したロシアのHRC参加資格を停止した。カダフィ政権による人権侵害で2011年に資格を停止されたリビアに続く2例目。またOHCHR秋期セッションではロシアにおける人権状況の特別報告者を任命する決議が採択された。

ウクライナの難民や人道危機に対しては、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)国連人道支援事務所 (OCHA)や世界食糧計画(WFP)他、UNICEF、 IOM、 UNDP等多数の国際機関が救援活動に尽力している。

国際NGO中、最も有名な赤十字国際委員会(ICRC)も、ウクライナ戦争では課題に面している。ICRCは紛争が起きたときに双方の意見を聞き、人命を救うことができるよう中立を堅持。国際法上、国家はICRCに捕虜との面会を認めなければならないが、ウクライナのロシア支配地域では完全には面会できない。

様々な災害に対応する国際機関だが、問題の複雑化や多国間外交の乱れなどにより、救済の難易度は上がっている。国際機関の在り方や活動に疑問が持たれた場面もあった。同時にその存在やマルチ(多国間)協力の重要度も再認識されているといえよう。

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