Tag Archives: 応募書類

履歴書で避けたい言い回し

フォーマットの定められていない履歴書やレジュメの書き方に困ったことはないだろうか。大抵の国際機関ではテンプレートに必要な情報を記入するようになっているが、フリーの履歴書をアップロードさせる場合もある。JPO試験でも基本英文略歴(レジュメ)が導入された。

応募書類添削中目につくのは、履歴書には必要ないアイテム、語彙を入れているケース。一応の基本構成はできているのだが、不要または不適当な言い回しで損をしている。以下よく見られるものを挙げてみた。

Career objective

採用側では個人のキャリアゴールに興味を持っているわけではないので、個人の目標にあえてページをさく必要はない。

Home address

わざわざ聞かれない限り、メールだけで良い。メールは最新の、プロらしい住所を使う。email と記すだけでaddressと付け加えなくても充分。

References available upon request

必要があれば雇用側で調べるので不要。

Microsoft Office Suite

これを使いこなせない応募者はほぼいないだろうから、もっと専門的なアプリを挙げて差別化を測るべきだろう。

I, She, He, Him, Her

自分で履歴書を書いているという前提なので、これらの第一人称や第三人称はいらない筈。

Hobbies

仕事に関係ない限り避けよう。

この他にも避けたいのは具体的な例をあげないで、Soft skillsを書き並べること。特にHard worker, Team player,  Dynamic,  Self motivated など、自己申告の能力を使い古されたバズワードで形容しても逆効果だろう。

以上は基本的なものばかりで、全部をカバーしているわけではないがこれらを避けるだけでも履歴書は改善する筈。キャリア国際機関では応募書類の添削サービスもやっているので利用してほしい。

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応募書類書き方講座

上記の講座を9月21日に外務省が東京で開催し、そのレクを担当した。四度目の今講義では参加者が多数で意識が高く、質問も活発。外務省国際機関人事センターの活動が実を結びつつあるという印象だ。

今回も履歴書内のREFERENCES に関する質問が目立ち興味深い。機関によってはREFERENCESを履歴書に書く必要はないが、まだ大多数のフォーマットでは要求されている。

誰を身元照会先として書くかに頭を悩ませる人は比較的多い。大学時代の教授と会社の上司両方を必ず入れるべきか、社会的地位の高い人ほど効果的かなどが主な質問の内容。

現在の自分の働き振りを知っていて、肯定的なフィードバックをしてくれる人であれば良い、が答え。身元照会先には採用がほぼ決まった段階で連絡が行くので、よっぽど否定的なコメントをしない限り、結果にそれほど影響はない。

気をつけて欲しいのは参照人が、自分の仕事を知っており、高く評価してくれる人であること。会社のトップやゼミの教授などがこの条件に当てはまるか確認しよう。ある程度英語ができないと質問に対応できないという点もある。

最初に了解を得てから名前をあげるのはもちろんだが、メールや電話の更新も忘れないようにしたいもの。現役時代国連でREFERENCEをチェックした際、シニアの候補者のためか、照会人が他界していたり、会社が倒産したりしてコンタクトできないケースがあった。

履歴書に照会者のタイトルを入れる場合Former Secretary-General とPrevious Secretary-General を区別すべきか。Former でもprevious でもほぼ違わないというのが一般説。文法上はinterchangeable  ということになっている。強いて区別したければformer は元 (昔)、previous は前 (最近)のSecretary-Generalとなる。

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日本での講演

いつもはスイスジュネーブより情報発信しているが、今般日本滞在中に東京で講演をする機会に恵まれた。

NPO国際人材創出支援センターICBは、国際的なルールメイキングの意思決定過程に参加し、活躍する人や活躍していきたい人を育成・支援する機関。グローバルな志を持つ人に勇気と力と豊かな教養を届けるという主旨のもと様々な活動をしている。

“国際公務員というキャリア”と題するこの講演では、国際機関の仕事が挑戦する価値のある魅力的なものであることを伝える。国際社会の公益のために、グローバルな視野を持って中立的な立場で働く国際機関職員。環境や職種は様々だが多様性、可動性、変化に富んだ職場であり、刺激的でやり甲斐のある仕事と言える。

いろいろな国際機関の人材開発、管理を30年近く担当した経験をもとに国際公務員のキャリアについて話す。人事担当者ならではの、ユニークな観点から見たキャリア構築について述べたい。委細は以下のとうり。問い合わせは上記サイトより。

9月18日(火)19:00~20:45
【場所】東京都千代田区神田錦町3-21
千代田プラットフォームスクウェア(http://yamori.jp/access)
【参加費】ICB会員1000円、非会員2000円。学生無料

もう一つのイベントは今回で4度目になる外務省国際機関人事センター主催の“国際機関への応募書類書き方講座”。国際機関へ提出する履歴書とカバーレターの書き方について説明する。制限人数に達したので申し込みは締め切られたが、当日キャンセルも多いので問い合わせる価値はあるだろう。毎回講義後は各個人のキャリアに関する質問が多く、全部に応じきれないのが残念なところ。

キャリア相談はサイトの方に直接問い合わせていただきたい。サービスに関しての情報は無料。キャリア相談一回2000円、六ヶ月6000円で提供している。

9月21日(金)18:30~20:00
■場所:東京都中央区丸の内1-7-12 サピアタワー10F
関西学院大学・東京丸の内キャンパス

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空席広告の読み込み

国際機関に何度応募しても筆記試験や面接まで行き着けない、という経験はないだろうか。その場合もう一度空席広告を念入りに読み、自分のプロフィールと空席のマッチを確かめたい。空席広告を読み込むことは応募成功に向けての重要な第一歩だ。

採用担当時代、空席広告を読んだとは思えない応募の多さに驚いたもの。教育、経験年数、言語 Education, Work Experience, Languagesという3基本要素さえ満たしていない書類が大半だった。

国連の書類選考ではWork Experienceに記してある資格や特殊な経験が問われる。またdesirable,  advantage,  asset, などと書かれた部分も対象となる。特に外部からの応募者は、これらの条件もクリアしていないと次の採用プロセスまで進むのは難しい。

職務の記述は丁寧に読み、内容、責任の範囲やレベルをしっかり把握。自分の経験と職務内容が重なっている部分は、応募書類で強調する。

空席広告の職種、部署、グレード、勤務地、契約、応募対象者等にも注目。ポストによっては内部職員のみ、ロスター登録者用などの応募者限定がある。また短期契約の場合、更新の可能性が示されているもの以外は、その期間限りと理解していい。

勤務地も大切な要素だ。例えば地域事務所がフランス語圏にあると、言語の知識なしで応募しても競争力は弱いだろう。安全性が低く扶養家族が現地で生活することを認められていないnon family duty stationも空席には明示してある。

このように空席広告には様々な情報が含まれている。自己のプロフィールとキャリアプランに合致したポストか、充分読み込み理解してから応募したいものだ。

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競争に勝ち残れるプロフィール

国際機関の空席に応募するものは多く、候補者のレベルも高い。競争に打ち勝つにはどんなプローフィールが必要か。何度応募してもテストや面接に呼ばれない場合は、空席広告と自己のプローフィールや応募結果を記録して、冷静に分析してみる必要がある。

この分析は外部から応募する時だけでなく、JPOから正式職員になる際にも使える。今までの応募の歴史とその結果を表にしてみれば、職種ごと、機関ごと、グレードごとに評価の傾向が見えてくるかもしれない。

まずチェックすべきは、空席広告の条件にすべて合致していたか。これらの必要条件はasset, advantge, desirableと書いてある事項や言語の要求も含む。内部職員やロスター登録者の増加で競争が激しい現在、100パーセント満たしてない書類はほぼチャンスがない。

要求された学歴、経験、資格などを全部クリアしても次の採用プロセスに進めない場合、他の応募者に条件合致プラス何らかの付加価値があったという解釈になる。国際機関で歓迎されるプラスアルファとは何か。

一つはフィールドの経験。特に緊急事態地域での仕事は評価され、国連採用者の約半数は緊急事態状況での勤務経験があるそうだ。また、可動性のある 経歴で、空席の活動区域、地方、国などで働いていると強い。管理職であれば、大手の機関の地域事務所でリーダーとしての経験があると優利。

国際機関の業務語は英語とフランス語だが、その他の公用語( アラブ、スペイン、ロシア、中国語)の一つでもできれば有利。特に開発系ではアラブ語や、公用語ではないが、ポルトガル語ができると重宝される。

仕事関連分野で博士号を持っていれば差がつくOECDのようなリサーチ、政策分析中心の機関だと、YPP(若者向け採用プログラム )選抜者の半数がPhD保持者との旨。

これらが国際機関で重宝されるプロフィール。応募結果分析で足りない部分が見つかったら、次回から対象の空席を変えるか、不足分を補うかし、戦略を変えて行くことだ。充分に対抗できるプロフィールであれば、応募書類でアピールし、次の採用プロセスに進める可能性をあげていきたいものだ。

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イギリス英語とアメリカ英語

英語のイギリス版とアメリカ版は発音や語彙、文法などに違いがあるが、スペルにも当てはまる。国際機関への応募書類を作成する際、疑問が沸いたことはないだろうか。

アメリカ英語のスペルは、なるべく発音に沿って、簡単に書けるようにできているのに対し、イギリス英語はラテン語やフランス語、ギリシャ語等の語源のスペルに忠実な点が根本的な違い。それぞれのお国柄がしのべるようで興味深い。

例えば、国際機関で最も目につくorganization というスペルはアメリカだけでなくイギリスでも通用する。厳密にいえば、イギリス英語だとorganisation でもorganizationでもいいことになっている。しかし、イギリス系のサイトや出版物を見るとorganisationが圧倒的だ。

各機関ではどうかというと、自らをorganisationと書いている組織はOECD経済協力開発機構くらいではないだろうか。古くからイギリスの影響が強い組織でもある。ロンドンに本部のあるIMO国際海事機関やEBRD欧州開発銀行でさえもorganizationを使っている。

国際機関応募書類によく使用される単語で、-ize/ise 語尾のanalyse (ze), mobilise (ze) , recognise (ze), realise (ze) はize 版がアメリカでもイギリスでも通用する例。

以下はスペルが違う例でカッコがアメリカ式だ。

-er/re: centre, fibre, litre, theatre (center, fiber, liter, theater),

-nse/nce:defence, licence, offence, pretence (defense, license, offense)

-or/-our: behaviour, colour, humour, labour (behavior, color, humor, labor)

ae oe: manoeuvre, paediatric (maneuver, pediatric)

vowel plus –l: travelling, travelled (traveling, traveled)

応募書類のスペルにそれほど神経質になる必要はない。グローバル化と国連本部や国連人事委員会、世銀等がアメリカ在住である影響か、大部分の国際機関はアメリカ式の綴りを導入している。イギリス式スペルを空席広告の一部または全部に使用している機関は、前述のEBRD、IMO、OECD、WTO そしてなぜか国連大学 UNU等、数えるほど。

第二外国語として英語を使っている職員が大部分という、言語的にも多様性に富む国際機関。コミュニケーションの手段は簡単であったほうが効率は高いといえよう。

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カバーレターテンプレート

「カバーレターのひな型を作りたい」という希望は多い。なるほど その都度空席番号だけ 変えて応募していけば、時間と労力の節約というもの。だが実行してみると、そう単純ではないことに気づく。

応募の度個別化せず、雛型のまま送れば採用側へのインパクトは低い。しかし動機や 強みをその都度空席に合わせて直すとなると、サンプル修正が大掛かりとなり不効率。解決策としては、基本的な構造を作っておき 一部を空席に適応させること。標準的なフレームワークは以下の通り。

まず空席のタイトルや番号を入れ、応募の意思を示す。この後自己紹介 (オプショナル)、応募動機を書く。 仕事の魅力度や、その機関の目標への同意など読者 を納得させる例を記述し、常套句は避けよう。すでに職員であれば、特に書かなくてもよい。

最も重要なのは自分のプロフィールと空席との合致点。 職歴の要約ではなく、空席に関連した長所を主張する。特にアピールしたい部分は具体的な例やエピソードを入れ、 インパクトのある一 小節をセールスポイントとして 加えると効果的。

最後に一般的な結び文句を入れて完成だ。 労力を惜しまずアピール度の高い レターを一旦作っておけば、 次回からのレター作りが簡単になるだろう。

このサイトでもカバーレターの添削サービスを提供しているので、ご利用いただきたい。

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アクション動詞

応募書類の書き方セミナーでいつも強調するのが「採用側を意識した」書類。 読み手に アピールする 書類をどう作るか。パワーワーズはそのための重要なツール だ。

これらの単語やフレーズは職歴や業績を簡潔かつ力強く印象に残すためのもの 。 機関独自の価値観や、空席広告のキーワード、職業に独特な業界用語、重宝されそうな 資質などを盛り込み他の応募書類との差別化をはかる。

よく耳にするアクション動詞はパワーワーズの一つ 。正確に経験や業績を記述し能力を際立たせる。だがアクション動詞のリストに乗っているもの全てが効果的なわけではない。

アクション動詞の中には使い古され、新鮮味にかけるものが多々。led, organised, managed, supported, improved, motivated などは 採用担当官時代、繰り返し目にした。日本人が よく使う, involved, assisted, participated, arrangedもインパクトは低 い。

ではどういう言い回しなら効果的か。例として、上にあげた動詞をorchestrated, chaired, programmed, operated, guided, initiated, collaborated, facilitated, capitalized, integrated, clarified, remodeled, partnered 等で代用したらどうか。これらは一捻りあり、国際機関のボキャブラリーともかけ離れていない。

各機関で頻繁に使われている一般的動詞をある程度リピートするのはやむを得ない。だがそれだけでなく、 ボキャブラリーに変化を持たせ ピッタリの動詞も使っていけば有効だろう。

印象に残すためとはいえ、経歴や空席に合っていない動詞を使っては逆効果。バズワードのみの使用や、自分でも意味のよくわかってないものを書いたりしても マイナスとなる。アクション動詞をうまく使い 応募書類にパワーを持たせたいものだ。

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カバーレター

「カバーレターって大事ですか。 」と良く聞かれる。重要であるのはもちろんだがその度合いは国際機関や採用担当者にもよる。ほぼ無視するところ、履歴書と合わせて 読むところ、カバーレターのみでスクリーニングをすませようとする雇用マネージャーなど。

カバーレターをそれ程重要視する雇用者がいるのも驚きだが、これには理由がある。自分と空席との合致を 少ない字数で効果的にアピールできる能力と書き方のスタイル、英語力が顕著に現れるからだ。散文的に事実をリストアップし、表現やスタイルがある程度定まっている履歴書よりは応募者の個性が発揮され、差別化ができる。

理想の書類は、要求条件に合致し、簡潔で一貫性があり必要な情報がすぐ目につくもの。 英語が正しいことはもちろんだ。カバーレター作成のポイントはセミナーで説明しているが、先に構造を作っておき、それに従って組み立てていくと書きやすいだろう。

数々のレターを見てきたが、多いエラーは、履歴書の要約版になっているもの。採用者が 知りたいのは応募者と空席との合致。最も空席に近い成果、経験を具体的に箇条書きし、空席と無関係の能力や業績、 記述は避けよう。

ポストとのマッチを強調するには、空席広告を熟読する必要がある。書かれている任務ごとに自分の職歴と比べ、経験済みかどうかチェックすると効果的。実際の経験やエピソードを入れ インパクトのある独自のセールスポイントを書ければ上級だ。

このようにカバーレターはマーケテイングツールでもある。一ページ足らずの書類だが履歴書作成と同じくらいの労力を投入すべきだろう。このサイトでもカバーレターの添削サービスを提供しているので、ご利用いただきたい。

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キャリアプラン

外務省国際機関人事センター主催、応募書類の書き方セミナーが10月11日東京で開催された。当サイトの管理人小島晶子が、 国際機関応募に必要な履歴書及びカバーレターの書き方について指導。70人あまりが参加した。

当センターの努力のおかげで、 国際機関就職セミナーは頻繁にあり 一般的な情報はよく浸透している。しかし、応募には 個別のプロフィールやキャリアのニーズに合った国際機関や空席を捜し出すのが先決。参加者の熱心な質問から、応募書類作成以前 にキャリアプランへのサポートがもっと必要と感じられた。

本人の経歴や資質、目標にマッチした職種、機関そしてグレードの空席を効果的に目指してこそ、雇用側にアピールする応募書類が書けるというもの。空席と自己プロフィールの合致を判断する情報が不足していると応募は空振りとなる。

キャリアパスや専門分野、職場環境が複雑化してきている今日、国際機関就職にも一般的なキャリアモデルが定義できにくくなっている。より可動性、柔軟性に富む戦略が必要だ。今までとは違った個性的な経歴を作っていける時代であるとも言えよう。

キャリア国際機関では応募書類の添削サービスをしているが、その以前のステップであるキャリアカウンセリングも提供している。応募の前に、空席と自己の経歴そしてキャリアプランとの合致をもっと検討してみるといいだろう。

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