候補者不足のポスト

UNIFIL Head of Mission and Force Commander Major-General Luciano Portolano, Brigadier-General Franois Chahine and Deputy Head of Mission Mr. Imran Riza participating in releasing doves at the end of the ceremony held at UNIFIL Headquarters in Naqoura, south Lebanon. September 21, 2015. Photo by Pasqual Gorriz (UN)
UNIFIL

UNJOB FINDERの記事に候補者探しが困難とされている国連空席のプロフィールが挙げられていた。空席がなかなか埋まらない職種とはどんなものか、邦人に応募可能なものをピックアップしてみた。これらに求められているプロフィールに合っていれば、採用されるチャンスは比較的高いということになる。

緊急事態発生中の国で勤務可能の女性警備担当官候補は不足している。専門職だと政治学、MBA, 犯罪学、法学等の修士の他に自衛隊や警察等での経験が必要とされ、P3レベルであれば5年中最低1年の国際経験が求められる。女性には稀な経歴だが、そもそも紛争や緊急事態発生中の国へ転勤希望の女性は他の職でも簡単には見つからないようだ。

DPKO平和維持活動担当官も女性の候補者が少ないポストでとくに管理職レベルは不足している。平和維持活動の人材ニーズは軍縮、裁判、政治学専門家等多様であり、軍人だけが求められているわけではない。物資調達やアドミニストレーション担当は、その分野の専門家であれば警察や軍での経験は必要ない。しかし国際レベル、公共事業での経験および緊急事態での経験が要求される。

身近な職種でありながら女性の少ないものにIT (コンピューター関係)がある。どこの機関にもあり需要の多いポストだが男性職員が大多数を占めている。日進月歩のこの分野では修士より学士で仕事を始める職員が多いので、女性でIT関係の修士をもち、十分な経験があれば採用されるチャンスは高くなるだろう。

以上の職は女性でなくとも日本人は少数派だから応募はお勧めである。OECD時代には新しいIT空席の度に日本人候補者の有無を聞かれたくらいであった。

妊産婦健康管理専門家は医学の学位だけでなく、公衆衛生の学位も歓迎される。これらの仕事はエボラ発生等の緊急事態に大量に必要とされるプロフィールで、たださえあまり登録者のいない領域だから、短期採用で構わないという専門家にとってはチャンスだろう。また医師は万年供給不足で、とくにUNVにボランタリーで医者として働くことを志願するものは稀と聞く。登録してみる価値はあるだろう。

アドミニストレーションの管理職レベルというのも以外に候補者層は薄い。人事、財政、資源調達、ロジなど全ての領域にわたって知識、経験のあるものは少ないし、このレベルだと年数だけではなく管理職としての経験の量と質が問われるから、内部の職員でも各当するものは多くない。日本人それも女性であれば有利といえよう。

職種全般にわたり女性の高級管理職、いわゆるダイレクターレベルは予備軍不足であるが、男性が優位に立てる例外として人事がある。これは伝統的に大多数が女性だから、邦人男性にはよいニュースだろう。同じような職に図書館司書や、文書担当官があるが、ポスト数自体が少ないので機会は限られてしまう。

応募やキャリアについてのアドバイス希望者はこのサイトのリソースセンターにあるコンタクトフォームを利用していただきたい。

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