応募書類の数字

履歴書やカバーレターの数字表記に迷うことはないだろうか。応募書類作成に役立ちそうな表し方をいくつか挙げてみた。

英語の数字表記には色々なスタイルがあり、ウェブの発達やグローバル化に伴い簡略化される傾向にある。以下は、国連の編集マニュアルを主に参照。

正統ルールでは1から9までがアルファベット表記、10 から 999999はアラビア数字。だが履歴書は全部数字で良い。履歴や成果を具体化し、インパクトを強めるための量、時間、額等が、アルファベットで読みにくいと、効果薄だ。

例外は文章の始め。数字の大小に関わらずアルファベット綴りにするのが一般的だ。今日このルールは無視されることも多いが、数字を文頭に使うのは避けたい。

計量単位やパーセントがつくもの、選挙結果等は普通の文書でも全て数字表記。ただし同じ種類に属さない数字が同時に入る文は、一方をスペルアウトし混乱を避ける。

例 Twenty 100-mm mortars; 15 five-year-old girls

応募書類中の日付は以下がお勧め。

  • Geneva, 21 April 20
  • Nairobi,12–23 April 2015, 23 May–1 June 2016
  • New York, 12 and 13 June 2019

5桁以上の数値は3桁ずつ右側からコンマをつけていく。

例The city’s population rose to 1,538,000 

読み手に明確である場合は、2番目の数字は短縮可。

例107-09, 245-47, 372-78, 1002-09, 1408-578, 1710-12.

応募書類に具体的な数字を入れると、職歴や業績が生きてくるし、カバーレターのアピール度も上がるもの。十分に使いこなし、成果をあげたい。キャリア国際機関での添削サービスも利用してほしい。

メールで送るカバーレター

すでに何度か触れたカバーレターの重要性。今回はEメール応募のカバーレター書き方について。普通のカバーレターとどう違うのか。

国際機関や空席により、Eメールでの応募が求められる場合がある。特に指示がなければ、履歴書とカバーレターを添付するのではなく、カバーレターをメールの本体に使い履歴書のみ添付がお薦め。応募者採用者とも時間、資源の節約ができる。

応募の場合まず自分のメルアドをチェックし、プロ的なアカウト名に調整。時々御目にかかる楽しいハンドル名はレジャー用に限定したい。

メールの件名は自分の名前と空席タイトル、番号。宛先を知らない場合、書き出しはDear Hiring Managerが無難。わざわざ担当者の名前を調べても性別がわからないとDearの後Mr./ Ms.抜きで、名前、苗字の順で書くことになる。苗字しかわからず性別も不明ならMr./ Ms.両方を前につける。

本文は普通のカバーレターと同じ内容で短めにし、パラ3つで十分。まずなぜこのポストに興味を持っているのか説明。2番目に自分が空席の要求事項をどう満たしているかを簡潔に強調し、最後、読んでもらったお礼と面接の依頼で結ぶ。サインオフはSincerely/Faithfully, Best regardsなどを使用。

メール本文のテキストの色変えや、太字、アンダーライン使用は感心しない。相手のメールソフトにうまく表示されない可能性もある。パラやフォントが機能しているか、添付ファイルはスムースに開くかなど、まず自分宛に送ってみてチェックするのも手だろう。

簡単に送れるが、いつまでも記録に残るのがメールの特徴。タイポや文法、表現のチェックは念入りにしたい。特に名前のスペルは要注意。

カバーレターには応募者の英語表現能力と書き方のスタイル、個性が顕著に現れる。短い英文でインパクトのある独自のセールスポイントを書きアピールしよう。このサイトでもカバーレターの添削サービスを提供しているので、ご利用いただきたい。

私はどうやって国際機関に入ったか

今回はILOを昨年末に退職された野口好恵さんの原稿です。野口さんのプロフィールはアドバイザーをご覧ください。

2019年末で30年以上働いたILOを退職した。デュアルキャリア・カップルで転勤転職もない中、定年まで勤め上げた一例である。

大学法学部卒業後、国家公務員試験(法律職)に通り霞が関勤務中に、Associate Expert(AE、今のJPO)として1981年から2年間ジュネーILO本部に派遣された。公務員の在外研修制度で留学したいと公言しているうち、外国に行きたいならとAE受験を勧められた結果である。その後若手国家公務員をそういう形で国際機関に送り込むことは無くなった。

国際機関に入るために国家公務員を目指すのは本末転倒であろう。しかし公務員経験が全く無駄だったわけではない。日本で学び日本の仕事で扱った法律も、基本は西欧からの輸入品、法律というものの枠組み・考え方を体得させてくれた。加盟国政府の法律改正を支援する折、縦割り行政に驚かなかったのも、国内経験のおかげか。

新卒一括採用の日本と違い職歴は大切だ。ただし、日本で新人がするコピー取りや使い走り等こちらでは秘書の仕事なので、履歴書の書き方には注意が必要。『キャリア国際機関』が当時あったら助かったのに…。

さてAEから帰国後3年ほど霞が関でいわばお礼奉公。この間結婚した相棒はジュネーブに定職があり、思案の末私が国家公務員を辞めて同行した。数年は扶養家族として過ごし、複数のポストに応募しては落ち続けた。無職を理由に日本に帰されることはないが、家族と暮らすためにはジュネーブのポストに絞って探すことになり、痛しかゆしであった。勤務地に選択の余地があれば、採用の可能性が高まることは言うまでもない。

ILOで安定した契約をもらう前、1年間に5か月3週間(注―6か月以上の契約で年金権発生)繁忙期だけの短期契約で次の契約無保証、を数回繰り返した。でも声がかかったのは、以前のAE経験や採用試験でショートリストまで残ったから。若い人の非正規雇用の増大は、日本に限らず世界中で最近大きな問題となっているが、30年以上前既にあった。 3度の出産が全て定期契約以前で、産休を一日も取れなかったのは、個人として残念な上、非正規労働者に法的保護が及ばない構造上の問題でもある。この件はILO労働法部門で担当したので、いずれまた。

国際機関を目指すならあきらめず楽天的に、でも手立てをつくして挑戦し続けてください。

コロナウイルスと国連

新型コロナウイルスのため、自宅勤務となっていたジュネーブの国連職員は6月6日から徐々にオフィスに復帰。ゴーストタウン化していた国連欧州本部パレ・デ・ナシオンにも、2ヶ月半ぶりで生気が戻る。

3月13日に第43回人権理事会が中止・延期になって以来、パレ・デ・ナシオンは閉鎖され職員は自宅勤務。自宅からのテレワーク、バーチャル会議にもすっかり慣れた6月初旬から、職場での活動を再開する。

6月初旬の自主復帰では、どうしてもオフィスでないと仕事ができない約3分の1の職員だけがまず戻り、その後だんだんに人数を増やしていく。ほかの機関も同じような状況で6月中旬から小規模の会議も開かれる予定。ただ空路入国の問題が残っているので、参加者がどのくらい集まるかは不明だ。

国際機関関係で働いている職員は約3万人、ジュネーブの職の約10%と言われている。国際機関のスイス国内出費は2018年がおよそ35億だった。ロックダウン後は費用も抑えられ、失業者も出てくると予想される。

コロナ対策で各国とも自国の経済基盤を守るのが最優先。国際機関の将来の資金源も脅かされている。長期的には国際機関職員だけでなくジュネーブ近郊の関係者全てが打撃を受けるだろう。ホテルやレストラン、交通機関、一般商店、住宅業なども減収は免れない。

毎年3200余りの国際会議が開かれ、世界中から20万人の代表者が集うジュネーブ。従来の活気を取り戻すのはしばらく先になりそうだ

コロナとバーチャル会議

新型コロナウイルスの影響で、ジュネーブ国際機関の会議が多数オンラインになった。これを契機にWeb会議やテレワークはさらに定着していくと考えられる。バーチャル会議には様々な利点がある。

  • 場所を選ばず、それぞれが都合のよい地点から参加できる
  • 参加者の移動が制限され、環境や気候変動に優しい
  • スケジュール調整が楽で会議準備がスムース
  • 効率的で経費は安くなる
  • 出張が減り参加者の負担が軽減
  • 今まで参加困難だった障害者、遠隔地居住者、女性など参加者の多様性が増し、少数派の意見反映が可能
  • 交通機関が止まっている非常事態でも会合可能

だがメリットだけではない。ネット上に集まり成果を出すには、技術面だけでなく新しい会議のやり方に順応することが必須だが、ハードルは色々ある。

  • 時差の関係上、地域によっては実用的でない時間に開始
  • 設備、技術の関係で参加できないグループあり
  • 準備漫然でも、突然接続に問題が生じたりする
  • 使用言語は英語のみで6カ国語の通訳は不在、AIの翻訳機能はまだ不完全
  • 参加者は必要最小限しか発言しない傾向があり、疲れやすく、注意力散漫になりがち
  • チェアは参加者の集中力を促したり、発言中に届くチャット等も読みながら会議を進行させたりと重労働
  • 対面以上にモデレーターやチェアの手腕が会議の成果を左右

重要な決断を要する会議や政府高官によるハイレベル会合などは、今後も対面となるだろう。だが最終セッションだけを対面にして、準備委員会等はオンラインで済ませれば時間も費用も節約できる。Web会議と対面会議を組み合わせたブレンデッドミーティングが将来の主流になるかもしれない。

長年華やかな外交の場であり巨大化していた国際会議が、COVID-19のおかげで大幅に変化。コーヒーブレイクやレセプション中の交渉とか根回し、代表団間のプレゼント交換や表敬訪問もバーチャルには不必要だ。開始や終了が遅れ、ナイトセッションが常だった国際会議は過去の風物詩となりつつある。これに伴い国際機関の仕事の仕方も大幅に変化していくことだろう。

学歴の書き方

国際機関応募の際、必ず記載する学歴。masters degree か master’s degreeかと迷ったことはないだろうか。仕事柄応募書類はよく見るが、学位の書き方はバラバラだ。

修士号は必ずmaster’s degreeとアポストロフィをつける。このsは複数を表しているのではなく所有格で、the degree of a masterの意味。

例 I enrolled in a university to get a master’s degree.

学位の分野を一緒に書く場合はMaster of Science といったようにmasterは大文字となり、’sは消える。

例 I obtained a Master of Arts degree in Linguistics.

省略形は大学によって形式が異なり、MA または M.A.もしくはラテン語のArtium Magisterから来るAM かA.M.が使用される。他に一般的なものはMS/M.S. (Master of Science)  LLM/LL.M. (Master of Laws)  MBA/M.B.A. (Master of Business Administration) など。

学士も同じルールで、カバーレターなどに書く文は小文字で ’s付き。説明が付随する時は大文字となり、degreeも省略できる。

例 I will get a bachelor’s degree next year.

例 She has a Bachelor of Science in Biology from a prestigious university.

Bachelor of Science に至っては短縮形が色々あり BS/B.S., BSc, SB/S.B., または、ラテン語Scientiae Baccalaureusから来る Sc.B.など。

このように単純なようでいて以外と書き方に迷うのが学位。応募書類に書くコツとしては一旦M.S.とピリオドを追加したらそれで統一することだ。疑問な場合は英文卒業証明書を見ると良いだろう。

応募書類に無用な言葉

応募書類の添削をしている際、すぐに削りたくなる単語に出会うことがある。無駄なばかりか使ったことによって印象が悪くなってしまうところがくせもの。あなたの書類は大丈夫だろうか。

国際機関応募サイトのテンプレートを使用した履歴書のdutiesやachievementsの描写に、 in charge of やresponsible for が多いがパワー不足。ただ担当していたという事実を述べるよりはmanaged, led, implemented などを使ってもっと積極的で具体的な表現にしたいもの。

I やmy省略は言うまでもないが、トートロジー(類語反復)にも注意。例えばunexpected surprise, final results, past experienceなど。また自分の雇用先の一般情報を履歴書で説明する必要はない。

カバーレターは応募者の個性が出るものだけに、無駄なバズワーズや使い古された表現は避けたい。problem-solving skills, team player, proactive, detail (results)-oriented, open-minded, hardworkingなどコンペテンシーに即していて良さそうだが、具体的な例をあげないでただリストアップするだけでは効果がない。

フリーレジュメにcareer objective, summary, hobbies などは不用。また“References available upon request”, MS Officeなどもスペース塞ぎ。

Home addressは履歴書テンプレートで要求されているとしても、レジュメやカバーレターではemail と記すだけで充分。

以上は目に付いたものばかりで完全リストではないが、これらを避けるだけでも履歴書はスッキリする筈。キャリア国際機関の応募書類添削サービスも利用してほしい。

2020年JPO試験面接

新型コロナウィルス感染症状況のため,4月~6月予定の外務省枠第二次審査(筆記及び面接)はオンラインにて実施。第一次審査通過者に個別に案内が行くということだ。

オンライン面接とは、PCやスマートフォン を利用して、インターネット経由で面接を行うこと。ビデオ面接、ウェブ、バーチャル面接などともいわれる。現在国際機関面接の大部分がオンラインなので特に違和感はないが、JPO試験開始以来初の出来事に戸惑う応募者も多いだろう。

オンライン面接では、ライブ面接中録画機能を使い面接をリコードし面接官が後で見直すこともできる。今回その機能を使うかは不明だが、面接者は録画を特に意識する必要はない。

スカイプや専門のアプリを使ってのウェブ面接への対応は基本的には対面面接と同じだが、より高いコミュニケーション能力と念入りな準備が必要。面接そのものの準備に加え、ネット環境等の整備が重要となる。

面接用のアカウントを作る場合、ユーザー名や写真に気をつけ相応しいものを使用。通信を始めてから画像が出なかったり声が聞こえなかったりしないようテストし、開始5分前にはスタンバイ。

スマホよりPCがお勧めだが、面接中に人が後ろを横切ったり、隣の雑音が入ったりするのは避けたい。とりわけ自宅での利用は背景に雑多なものが写らないよう注意し、電源もチェック。なるだけ本番に近い環境で練習した方が効果的なので、模擬面接でもドレスコードに気をつけよう。

書類を参照できるところはオンライン面接の利点と言えるが、下を向きまさに読んでいますという調子の答えは不利。覚え書きを相手から見えない目の高さに貼っておけば、自然な形で相談できる。

コネクションや設備の準備が万端であっても、本番中不意に予期しなかった問題が生じることがある。必要なら電話やメールですぐ連絡できるようにしておき、落ち着いて対処したい。

オンライン面接は慣れるまで結構違和感があるので、家族や友達に頼みリハーサルしておけば効果的。キャリア国際機関のスカイプによるJPO模擬面接サービスも利用できる。

コロナウイルス

誰もいないジュネーブ中心街

スイスは現在、COVID-19の影響を最も受けている世界10カ国の1つ。

モーターショーや映画祭、見本市、会議など様々なイベントが中止された。国際機関が集中し、会議数が世界最多のジュネーブへの影響は大。会合は中止・延期、またはEミーテングになっている。

スイスの新型コロナウイルス感染者数は3月25日17時点で9765人、死者103人。食料品店やスーパー、薬局、銀行、郵便局以外、バー、レストラン、スポーツ施設、文化施設は4月19日まで営業停止。学校は4月19日まで休校で、仕事もできるだけ自宅勤務とする。

世界貿易機関(WTO)は職員が感染したことから、3月11日から開催予定だった全ての会合を延期。続いて2月24日から開かれていた第43回人権理事会が中止・延期。また3月後半に予定されていたジュネーブヘルスフォーラム(WHO)情報社会世界サミットやAIフォーラム(ITU)ILO役員会議、ジュネーブ軍縮会議等も延期になった。

小規模の会合はビデオ会議などに切り替えられている。職員は避けられない場合を除きスイス連邦内務省保健庁の指示どうり自宅勤務。

赤十字国際委員会(ICRC)を始め国際機関職員の不要不急渡航は4月15日まで延期され、会議参加者不在と相まってジュネーブ空港はひっそりしている。旅客便は97パーセント減。貨物便は平常より減っているが機能中だ。

このように前代未聞の状況に直面している国際都市ジュネーブだが、ユニークではない。似たような現象が世界中で起きており、各国政府のパンデミック対策に国家主義が目立つ。今こそ国際協力、多国間調整がもっと必要だろう。国際機関や国からのリーダーシップが期待される。

パワーワーズ

国際機関採用担当者は、膨大な数の応募書類を読む。読み手にアピールできるのは、簡潔で短時間に読め、採用条件への合致が明確かつ具体的に書かれている書類。

具体的に書こうとして、全てを詰め込んでしまい簡潔さに欠けたり、日本語を直訳したような表現で、能力やスキルが伝わらない例がよくある。採用側の目に留まる応募書類作成にパワーワーズを利用しよう。

パワーワーズは職歴や業績を簡潔かつ力強く印象に残すための単語や言い回し。 機関独自の価値観や、空席広告のキーワード、職業に独特な業界用語、重宝されそうな 資質などを盛り込み他の候補者との差別化をはかる。

よく耳にするアクション動詞はパワーワーズの一つ 。正確に経験や業績を記述し能力を際立たせる。外務省国際人事センターのサイトでもUNDPのアクション動詞リストを紹介している。

気をつけたいのは、使い古されたアクション動詞では効果が薄い点。led, organised, managed, supported, improved, motivated などは 採用担当官時代、繰り返し目にした。日本人が よく使う, involved, engaged in, assisted, participated, arrangedもインパクトは低 い。

ではどういう言い回しなら効果的か。例として、上にあげた動詞をorchestrated, chaired, programmed, operated, guided, initiated, collaborated, facilitated, capitalized, integrated, clarified, remodeled, partnered 等で代用してみる。これらは一捻りあり、国際機関のボキャブラリーともかけ離れていない。

各機関で頻繁に使われている動詞をある程度利用するのはやむを得ない。しかしこれらがほかの人と同じなら、単なるリピートとなり際立つことは難しい。成功能力を示せる動詞を見つけ、ボキャブラリーに変化をつけよう。

印象に残すためとはいえ、経歴や空席に合っていない動詞を使っては逆効果。バズワード連発や、自分でも意味のよくわかってないものもマイナス。パワーワーズをうまく使い応募書類にパワーを持たせたいものだ。