気候変動監視システム

現在、世界中で地球観測技術を活用し、様々な気候変動を監視するシステムが開発されている。気候変動に関連する大気中の物質を包括的に監視することが、緩和に向けたすべての対策・政策の科学的基礎となるからだ。

効果的な気候変動対策のためには、できるだけ多くの種類のグローバル温室効果ガスや関連物質の世界全体、国・地域レベルでの総排出量や平均的な大気中濃度情報が必要となる。

地球全体の温室効果ガスの監視は、24年から世界気象機関(WMO)主導のグローバルな温室効果ガス監視(G3W: Global Greenhouse Gas Watch)が運用。気象観測と同じように大気中の温室効果ガスを観測し、天気予報に似た数値モデルを用いてその解析や予測を行うことを目指す。

G3W は、国連気候変動枠組条約 (UNFCCC) およびパリ協定の締約国が講じた緩和措置が、気候の状態に与える影響を理解するために作られた。

WMO の気象予報と気候分析における国際協力の調整の経験と、1989 年に設立された地球大気監視、および統合地球温室効果ガス情報システム権限下での温室効果ガスの監視と研究における、長年の活動に基づいている。

温室効果ガスを扱う既存の国際的および国内的な活動の多くは、主に研究コミュニティによって運営されており、途上国は資金やノウハウ不足。G3W は、地上および宇宙ベースの温室効果ガス観測とモデリング情報をタイムリーに国際交換できる場を提供する。

この活動は、各国の協力のもとで実施することが前提で、世界有数の観測ネットワークとモデル開発・運用能力を持つ日本が、大きな役割を果たすことが期待されている。

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