
国連の定義によると、国際機関とは、政府間協定によって設立され、国際協力に関する広範な機能を持つ組織。国連(UN)、世界銀行(WB)、FAO、UNICEF、WHO、OECD、WTO、EUなどがこれにあたる。
一方で国際的に活動するも、政府間交渉でできた団体ではないのが、非政府組織(NGO: Non-Governmental Organization)。国際法上の法人格を有す国際機関と違い、ホスト国の国内法に従って活動する。
現在活動中の国際機関は約300から400といわれるが、国連やUNHCR等と違い、あまり知られていない機関もある。例えばブエノスアイレスに本部を置く、Antarctic Treaty Secretariat(南極条約事務局)世界の「極地をめぐる国際ガバナンス」の中で、唯一「領有権問題を凍結した成功例」として高く評価されている。またアブダビにある国際再生可能エネルギー機関(IRENA)も2009年設立のせいか、一般の認知度は低い。
日本に本部のある機関は、東京の国際連合大学(United Nations University, UNU) と横浜にある国際熱帯木材機関(International Tropical Timber Organization, ITTO)。
日本人が現在事務総局長になっている機関は、スイス、ベルンにあるUPU 万国郵便連合と、バンクーバーに本部をおく北太平洋溯河性魚類委員会 (NPAFC) のみ。どちらも知名度は低いが、日本にとっては重要な機関。
日本は国連や世銀だけでなく、多くの国際機関で資金・知識・人材を通じて国際社会を支えている。これらは世界の安定や持続可能な発展を支援するだけでなく、日本の信頼と発言力を高める機会でもある。
今後、気候変動・食料安全保障・デジタル経済といった新しい課題に対し、日本が国際機関を通じどのように世界のリーダーシップを取っていくかが注目される。