
英語のイギリス版とアメリカ版は発音や語彙、文法などに違いがあるが、スペルにも当てはまる。国際機関への応募書類を作成する際、疑問が沸いたことはないだろうか。
アメリカ英語のスペルは、なるべく発音に沿って簡単に書けるようになっているが、イギリス英語はラテン語やフランス語、ギリシャ語等語源のスペルに忠実な点が根本的な違い。
国際機関でよく目につく organization というスペルはアメリカだけでなくイギリスでも通用する。厳密にいえば、イギリス英語ではorganisation でもorganizationでもいいことになっている。
イギリス系のサイトや出版物を見るとorganisationが圧倒的だが、国際機関ではロンドンに本部のあるIMO国際海事機関やEBRD欧州開発銀行でもorganizationを使っている。自らをorganisationと名乗っている国際機関は、パリのOECD経済協力開発機構 (Organisation for Economic Co-operation and Development)くらいではないだろうか。
ただしILO (International Labour Organization) , ICC (International Computing Centre), ITC (InternationalTrade Centre)など、US式スペルではない名前の機関もあり歴史的背景を彷彿させる。
応募書類によく使用される、-ize/ise 語尾のanalyse (ze), mobilise (ze) , recognise (ze), realise (ze) はize版であればアメリカでもイギリスでも通用する。
以下はスペルが違う例でカッコがアメリカ式。
-er/re: centre, fibre, litre, theatre (center, fiber, liter, theater),
-nse/nce: defence, licence, offence (defense, license, offense)
-or/-our: behaviour, colour, humour, labour (behavior, color, humor, labor)
ae oe: manoeuvre, paediatric (maneuver, pediatric)
vowel plus –l: travelling, travelled (traveling, traveled)
グローバル化と国連本部や世銀等がアメリカ在住である影響か、大部分の国際機関はアメリカ式の綴りを導入。イギリス式スペルを空席広告に使用している機関はEBRD、OECD、国連大学 UNU等、数えるほど。
応募書類のスペルはUS式でどこにでも通用するが一貫性に注意。好みでUK式を使用する場合、Mr. Mrs. Ms. Dr.にピリオドはいらない点と引用符がsingle「’」なところに気をつけよう。






