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大文字小文字

英文応募書類を添削する際、大文字がよく気になる。大文字の多い文は読みにくいと言われるが同感だ。大文字乱用を避けるルールには例外も多く、母国語の人でも要注意。応募書類内の主な大文字小文字使いわけをあげてみた。

例えば学歴。履歴書の学位、大学名、地名は大文字。

University of Wales, UK, BA in Economics

だがカバーレター等の中では学位は小文字を使う。

I have a bachelor’s degree in economics

肩書きも、履歴書やレジュメは大文字であっても文章中は小文字。

  • Director of Marketing(履歴書)
  • Worked as a director of marketing (文中)

役職名使用は割と複雑で大きな機関だとマニュアルがある程。仕事のタイトルが名前の前であれば大文字、名前の後、役職名がコンマ等で区切られていると小文字、というのが原則だ。

  • Director of Marketing John Smith
  • Tony Tanaka, professor of physics

公的な要職タイトルは大文字使用が多い。

  • Mr. Pierre Fitzgibbon, Minister of Economy
  • António Guterres, the ninth Secretary-General of the United Nations
  • President of India

以下、一般的使用は小文字、特殊なタイトルや個人名との組み合わせだと大文字。

representative, consul, judge, mayor, ambassador

政府、大使館等の名詞は、組織を直接指している場合に大文字使用。

  • The Government of Japan
  • The Ministry of Education
  • Japan Embassy, Tunis
  • Police Department
  • The Permanent Mission of Japan

一般的な意味で使う場合は小文字となる。

  • The Japanese government
  • It is based on government policy
  • Japanese embassies throughout North Africa
  • This department has 10 employees
  • The research financed by three ministries
  • Members of permanent missions

このように区別は結構複雑であり、国や機関によってもスタイルが少しずつ違う。疑問のある場合は United Nations Editorial Manual Onlineなどマニュアルを参照するのも手だろう。

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自己SWOT分析

「SWOTで自己分析してみましたが、この後どうしたら良いですか」

とキャリアカウンセリングの時よく聞かれる。SWOT分析とは何か、どのようにキャリアプランに役立てるかを説明したい。

SWOT分析とは、組織の「内部環境」と組織を取り巻く「外部環境」という2つの側面から現状を把握し、今後の戦略や行動指針などを立案するための手法。業種や業態を問わず幅広い分野に対応でき、個人の診断手法としても広く活用されている。

SWOT分析の「SWOT(スウォット)」とは、4つの軸 の頭文字からきている。内部環境を「強み(STRENGTHS)」「弱み(WEAKNESSES)」、外部環境を「機会(OPPORTUNITIES) と「「脅威(THREATS)」」という枠組みに分け、これらに焦点を当てて分析していく。

例えば国際機関就職という目的で自己内外の環境をSWOT分析してみる。

上記4つの観点を掛け合わせると、自分が「具体的にやるべきこと」が見えてくるので、これらをアクションプランの形に整理していく。

この例の場合だと、最後のJPOに備え書類を吟味する、英作文の研修をする、経験を充実させるなど。いつまでに何をどう準備するかを具体的に計画できれば理想的。

こうやってSWOTを将来のチャンスに備え新しく身につけるべきスキルや経験、人脈などを開発していく計画に利用。目標とアクションは定期的にチェックし、実現度を上げていく。

当サイト、リソースセンターのツールにあるSWOT分析とアクションプランのテンプレートを活用し、効果的なキャリア戦略を作り出してほしい。

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面接での笑顔

模擬面接でよく指摘するポイントに「もっとスマイルを」がある。笑顔は自信や積極性、相手への関心をイメージさせ、他者との協調性、親しみやすさも伝えるという。本人をリラックスさせる効果もあり、場の空気も和ませる。

ただし、自然で時と場面に応じた笑顔が条件。終始ニヤついたり、面接官が笑顔で楽しい話しをしているのにむっつり、真面目な話し中、満面の笑みといった反応も逆効果。国連時代、受け答えは素晴らしいのに、笑顔がなく終始無表情の候補者がいて、将来一緒に働きたくない、という感想が出たことがある。

ではいつスマイルを使うか。まず、面接官と会った時に笑顔で元気よく自分をアピールし、第一印象を強める。自分が熱意を持っているテーマについて話す際、無意識に出てくるような笑顔も効果的。また面接官が笑顔で話せば、ミラー効果でこちらにもスマイルが伝わってくるもの。そして面接の最後もニコッとして挨拶し好印象のまま終わらせたい。

スマイルは電話やスカイプ面接にも有効。特に電話では双方の顔が見えなくても、笑顔が口調や声に反映され面接官に効果的に伝わる。

不自然な笑顔は面接には逆効果。人間の脳には、顔の筋肉の動かし方の違う擬似スマイルを見分ける能力があるそうだから、返って警戒されてしまう。しかし緊張している面接中にどうやって自然な笑顔が作れるのか。

面接前、自分で鏡を見て笑顔のトレーニングをしてみよう。口角をあげ、目尻を下げる、という2点を意識すると、表情筋が和らぎ自然な笑顔が出しやすい。スマイルが面接テクニックの全てではないが、その効果は大きいので練習する価値はあるだろう。

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2019 年度 JPO 試験

 

JPO 試験募集要項が外務省から発表された。昨年と幾分違う点があるので気をつけたい。

まず試験の日程が前倒しになり応募も2月から開始。年齢制限は今年2月1日現在で35歳まで、経験年数と学歴は9月までを考慮。着任時期も最終12月31日と早くなる。応募締め切りは3月4日で、応募期間は例年より約一週間短い。

応募書類を送る前に、専用サイトでの事前登録が必要なのも今年の特徴。2月いっぱいが登録期間だが、希望の機関も入力するので、まず機関を決定する必要がある。例年と違い希望機関選択は一つだけなので、迷う応募者もいるだろう。各機関の空席が2月中にはっきりしないと判断が難しく、動機も書きにくい。

外務省枠応募では、希望外の機関の方が適当と判断された場合も含め、行き先は最終的に外務省が決定する。OECD, UNDP, WFP枠での応募者以外は、希望はあくまでも希望と割り切りギリギリまで悩み応募を遅らせないようにしたいもの。重要なのは総合上位120名以内に入り第一次選考を通過することだ。

この他の変化として、第二次試験が東京とジュネーブだけという点、すでに国際機関での勤務経験があってもP1相当以下の契約であれば応募資格があること、メールでの応募を二度に分けさせ書類を機密扱いする点、など。

応募の際、履歴書のサインを忘れないこと、重複して応募しないこと(メール、または郵送、宅急便いずれか)、語学証明書以外の添付は不要なこと、受付通知がこない場合は問い合わせることなどにも留意。応募期間が短いので、早めに書類を用意し余裕を持って応募したいもの。

キャリア国際機関でも応募書類添削、筆記テスト、面接準備の支援をしているので利用してほしい。JPO添削について

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年頭のご挨拶

新年明けましておめでとうございます。

2019年は平成が終わり新しい年号となる年。 「もの」の時代、昭和、「こころ」の時代と言われた平成の次に来るのは、どんな年号のどのような年だろうか。

昨年は国際機関でのキャリア開発を目指す人にとっては、心強い年だったと思う。国際機関の邦人就職に政府が力をいれ、関連する情報発信やイベント、企画に充実したプラグラムが展開された。若手レベルだけでなく、中間職、管理職を目指す候補者の支援も目につくようになった。

この傾向はさらに強まり、今年は国際機関就職希望者にとってはますますチャンスが増える、という期待が持てる。

2019年からJPO派遣候補者選考試験の応募受付期間も変化し、募集要項公表 も間近と思われる。キャリア国際機関も今まで以上にキャリア支援に積極的に働きかけていきたい。さしあたりJPO試験応募者を、書類作成やキャリアプラン、職種の選び方などを通じ応援するつもりである。 

特に応募書類添削に関しては、締め切り日近くはリクエストで混み合うので余裕を持って送ってほしい。

2019年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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親睦イベント

クリスマスから新年にかけて、忘年会や新年会など親睦イベントが相次ぐシーズンだ。国際機関も例に洩れず、自分の属しているサービス以外にも、他の部署や団体の企画するクリスマスパーテイなどに招待される機会は多い。

国際機関では職場以外に同僚を知る機会は限られている。全職員対象の研修会、集会の他は、同好会、そして親睦イベントくらいだろう。これらの魅力は、専門分野やグレードに縛られずに、普段の仕事仲間以外の職員と知り合えるところ。

レセプションで隣にいた陽気な同僚が最高幹部の一人、というのはよくあるエピソード。新入職員や退職準備用のセミナーでは、仕事上でほぼ会う機会のない同僚の存在を発見することが多く、新鮮な驚きがある。

しかしそんな機会のないまま何年かたち、職場の同僚以外とは疎遠になる例も多。コーヒーや昼食も大方同僚と一緒か、一人。仕事に専念し、課外活動や集会もパスしているうち機関内の知人は限られてくる。

普段時間のない職員でも年末年始のイベント参加は可能だろう。このシーズンは休暇を取るものが多く、パーテイもあちこちで開かれる上、契約更新時期とも合いまり、仕事効率は鈍る。メール、電話では無く、直接話し合うチャンスでもある。

官僚、縦割り社会の国際機関で、部署を縦断したネットワーク作りは貴重。年末、年始のイベントに積極的に参加し、他職員の新鮮な考え方、活動の仕方に触れられる好機を利用したいものだ。

 

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メールの挨拶

空席応募、インターン申し込み、推薦状などで国際機関と英語メールのやり取りをした経験はあるだろうか。問い合わせメールや人事部への返事など、内容は色々でも書き出しと結びの挨拶は共通。今回はこの挨拶に注目した。

書き出しは、国際機関側から来たメールへ返事する場合、Dearの後にMr./Ms.をつけ差出人の名前をコピー。Dear Mr.King, Dear Ms. Smith, ファーストネームならDear Samantha といった具合。

名前から性別がわからない場合はDearの後Mr./ Ms.を付けず、名前、苗字の順でかけば失礼にならない。苗字しかわからずしかも性別不明というケースはMr./ Ms.両方を前につける。スペルに間違いのないようチェックしたいもの。

担当者の名前が不明の場合は、Dear Human Resources Manager、Dear Hiring Manager などを使うといいだろう。名前も担当部署もわからない時はTo whom it may concern, Hello, Greetingsなどで開始。

正式なメールではグリーテイングの後はセミコロンDear Ms.Fisher:を使うが、一般的なメールであればコンマが普通。イギリス式のピリオドなし、セミコロンMr/Mrs: は国際機関では稀だ。

某Eメールソフト会社の調査によると、メールの結びで人気のあるのは、Thanks in advance, Thanks, Thank you など。Kind regards, Best, Cheersは国際機関でもよく使用。Sincerely, Respectfully, Cordiallyは古っぽいせいかあまり見ない。返事メールの場合、もらったメールの最後の挨拶と同じものを使うのも手。

職場の同僚同士ではファーストネームで開始し、自分の名前で終わるメールも多い。ただしこれを部外者がすると、ぶっきらぼうな印象になるので気をつけよう。

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空席広告応募

国際機関に何度応募してもナシのつぶて。応募書類は吟味してあるのになぜか。そんな時次のケースが考えられる。

一番多いのはプロフィールと空席がマッチしていない場合。応募書類選考では教育、経験年数、言語(Education, Work Experience, Languages)の3基本要素のほか、必要な資格や特殊な経験も問われる。またdesirable,  advantage,  asset, などに記述されている条件も対象となる。特に外部からの応募者は、これらの条件も全てクリアしていないと次の採用プロセスまで進むのは困難だ。

空席広告の対象者が限定されている状態も考えられる。ポストによっては内部職員のみ、ロスター登録者(すでに同類の空席のショートリストに入っている応募者で選考過程を得ず、すぐ採用できる)用などの応募者限定がある。これら限定事項は空席広告に記述してあるが、見落として応募する者も多い。

すでに内部で採用する職員が決定しているが、規定により空席広告を公示する場合がある。応募条件や資格が、普通の広告より多く具体的なのが特徴だが外部からの判断は難しい。

これと似たものは、内部で多数の有力候補者がいるか、ロスター登録者のリストが充実している状況。アドミニストレーションや財政のような、内部ノウハウがある程度ないとすぐ仕事できないような分野で、P3以上のポストに良く見られる。

このような場合、外部候補者はよっぽど有力なセールスポイントがないと、次の採用段階までいけない。プラスアルファの例としては、他の候補が持っていない財務監査の資格であったり、財務の新しいERPのプログラムに精通していたりする等。

応募書類は強力なのだが、次の段階に進めないのにはいろいろな理由がある。自己のプロフィールとポスト要求事項が全部合致しているか、何が自分の強みなのかを充分に把握してから応募したいものだ。

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JPO試験応募書類

外務省のサイトによると来年のJPO試験要項は1月に通知され、応募機関は2月1日より1ヶ月と、例年より早くなる予定。ただし修士獲得、経験年数は例年と同じく9月で足切りとなる。

今年から英語の提出書類が増えたので、早めに準備したいもの。英語履歴書P11には新たにmotivation Letterが含まれた。応募にはA4一枚のカバーレターも求められているので、motivation Letterとどの程度内容をダブらせるか迷うところだ。

外務省は書き分けの形式は指示しておらず、motivation Letterは字数制限が無いのでカバーレターより詳しくても可、というコメントのみ。英語の提出書類を増やし英作力を問うという意図だから、完全に同じものを出すのは不利だろう。動機を強調し二通をある程度差別化することになる。

動機を効果的にアピールするのは案外難しい。最初に希望機関の活動やゴールを詳しく研究して、どのようなところに共鳴したり興味を持ったかを考えてみよう。自分の経歴だけを強調する応募書類が多いがmotivation Letterなのだから、なぜその機関に行きたいのかをまず明確にすべき。

気をつけたいのは思い入れが強すぎ、国連で働くのが子供時代からの夢とか、一生を難民の保護に捧げたい、というような常套句に走ること。これらをそのまま英訳すると、使い古された表現clichéとなり逆効果。採用側が読むのだから、個人的な人生のストーリーではなく対象機関を中心にした動機が必要だ。

キャリア国際機関では添削サービスをやっているので利用して欲しい。2月は混み合うので今年の終わり頃から書類準備を始めると良いだろう。11月6日から16日までは応募書類添削、模擬面接には対応できないのでご注意。

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履歴書で避けたい言い回し

フォーマットの定められていない履歴書やレジュメの書き方に困ったことはないだろうか。大抵の国際機関ではテンプレートに必要な情報を記入するようになっているが、フリーの履歴書をアップロードさせる場合もある。JPO試験でも基本英文略歴(レジュメ)が導入された。

応募書類添削中目につくのは、履歴書には必要ないアイテム、語彙を入れているケース。一応の基本構成はできているのだが、不要または不適当な言い回しで損をしている。以下よく見られるものを挙げてみた。

Career objective

採用側では個人のキャリアゴールに興味を持っているわけではないので、個人の目標にあえてページをさく必要はない。

Home address

わざわざ聞かれない限り、メールだけで良い。メールは最新の、プロらしい住所を使う。email と記すだけでaddressと付け加えなくても充分。

References available upon request

必要があれば雇用側で調べるので不要。

Microsoft Office Suite

これを使いこなせない応募者はほぼいないだろうから、もっと専門的なアプリを挙げて差別化を測るべきだろう。

I, She, He, Him, Her

自分で履歴書を書いているという前提なので、これらの第一人称や第三人称はいらない筈。

Hobbies

仕事に関係ない限り避けよう。

この他にも避けたいのは具体的な例をあげないで、Soft skillsを書き並べること。特にHard worker, Team player,  Dynamic,  Self motivated など、自己申告の能力を使い古されたバズワードで形容しても逆効果だろう。

以上は基本的なものばかりで、全部をカバーしているわけではないがこれらを避けるだけでも履歴書は改善する筈。キャリア国際機関では応募書類の添削サービスもやっているので利用してほしい。

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