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ワールドカップと国際機関

ワールドカップ(W杯)で毎日沸き立つ国際都市ジュネーブ。日本でもジャパンチームの驚くべき快進撃が注目されている。ワールドカップのような世界規模のイベントから、文化の多様性が感じられて興味深い。

サッカー大会の最高峰であるこの世界選手権は、世界最大のスポーツイベント。全世会のテレビ視聴者数や経済効果は、オリンピックをしのぐとまで言われている。

途上国が活躍できる国際舞台でもあり、特にアフリカ、南米の出場国には大陸単位でサポーターが付く。例えばベネズエラ人はコロンビアを応援し、マリ出身者はセネガルやエジプトに注目する、といった具合。同じ言語圏の国への応援は特に熱気が増す。

国際機関でも感じていたが、国を超えての協力や意思疎通の際、同じ言語圏出身同士だとすぐ距離が縮まる。近所の国で無いにしても、文化が同類ということなのか親近感が増すようだ。その意味で、英語ではなく、相手国の公用語を話すと受け入れられやすい。

経済協力や紛争仲裁で現地に派遣される国際機関職員が、その国の言葉を話すと仕事がやり易くなるのは事実。現役時代にはアフリカフランス語圏で、フランス語で研修をすると歓迎されたものだ。

ワールドカップ中は町中に様々な国旗が翻るジュネーブ。国際機関でも見逃せない試合をこっそりとオフィスから抜け出し、チェックする、という光景がよく見られたもの。また国連各国代表部でもその間は応援に熱が入り、話題に事欠かない。いろいろ批判も多いが、ワールドカップは世界を繋ぐスポーツの祭典であると言えるだろう。

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面接に役立ちそうなテクニック

テレビで面白い特集をしていた。どうやってWINNERになるかというハウツー物。この手の話題はアメリカ系が多い。職場や私生活での成功につながるテクニックを広範囲に紹介していたが、国際機関の面接に使えそうなものもあった。

まずガッツポーズ。スポーツ選手などが、両手の握りこぶしを胸の前、あるいは頭上高く挙げて勝利を表す姿勢をとる。鏡に写った姿を脳裏に焼つけ、そのポーズの感覚を覚えれば、勝利の喜びを感じられ、自信が湧いてくるというもの。何も失うものはないのでダメ元でやってみていいだろう。面接前の緊張がほぐれれば価値ありだ。

Because はyou, free, instantly, newなどと並んで、コピーライティングのパワーワード。幼児の頃から理由を明確するために使ってきているので、誰の脳にもしっかりと刻み込まれ、印象に残りやすいらしい。社会心理学者チャルデイーニのテスト結果でも何かを頼む時にBecauseという理由を入れると、依頼が受け入れやすくなるという。面接の始めに聞かれるWhy are you interested in this position ?といった質問にBecauseを使って理由を述べるといいだろう。もちろん理由に説得力があることがポイント。

相手の名前を頻繁に呼ぶと、近親感が増すとよく言われる。最初から面接官の名前を聞いておき、挨拶や質問に答えるときに使えば、ラポール作りができ、面接もやり易くなるかもしれない。だがこれを実行するのは案外難しい。まず前もって面接官の名前を教えてくれるかどうか不明。緊張している面接開始時に、色々な国の複雑な面接官の名前を直ちに覚え活用するのは至難のわざだろう。面接官の呼び方を誤り逆効果というリスクもある。

韻を踏んだボキャブラリー、例えばdog/log, fat/batを使いコミュニケーションを効果的にするテクニックも有った。面接の答えに応用すると、なるほどリズムや響きの良さから印象が強くなるかもしれない。しかし、面接でごろ合わせをした勇者にはまだお目にかかっていない。

以上面接ガイドには普通ない面白いテクニックが様々で、興味深かった。これらを実行し、効果のあった方はキャリア国際機関までお知らせ願いたい。

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イギリス英語とアメリカ英語

英語のイギリス版とアメリカ版は発音や語彙、文法などに違いがあるが、スペルにも当てはまる。国際機関への応募書類を作成する際、疑問が沸いたことはないだろうか。

アメリカ英語のスペルは、なるべく発音に沿って、簡単に書けるようにできているのに対し、イギリス英語はラテン語やフランス語、ギリシャ語等の語源のスペルに忠実な点が根本的な違い。それぞれのお国柄がしのべるようで興味深い。

例えば、国際機関で最も目につくorganization というスペルはアメリカだけでなくイギリスでも通用する。厳密にいえば、イギリス英語だとorganisation でもorganizationでもいいことになっている。しかし、イギリス系のサイトや出版物を見るとorganisationが圧倒的だ。

各機関ではどうかというと、自らをorganisationと書いている組織はOECD経済協力開発機構くらいではないだろうか。古くからイギリスの影響が強い組織でもある。ロンドンに本部のあるIMO国際海事機関やEBRD欧州開発銀行でさえもorganizationを使っている。

国際機関応募書類によく使用される単語で、-ize/ise 語尾のanalyse (ze), mobilise (ze) , recognise (ze), realise (ze) はize 版がアメリカでもイギリスでも通用する例。

以下はスペルが違う例でカッコがアメリカ式だ。

-er/re: centre, fibre, litre, theatre (center, fiber, liter, theater),

-nse/nce:defence, licence, offence, pretence (defense, license, offense)

-or/-our: behaviour, colour, humour, labour (behavior, color, humor, labor)

ae oe: manoeuvre, paediatric (maneuver, pediatric)

vowel plus –l: travelling, travelled (traveling, traveled)

応募書類のスペルにそれほど神経質になる必要はない。グローバル化と国連本部や国連人事委員会、世銀等がアメリカ在住である影響か、大部分の国際機関はアメリカ式の綴りを導入している。イギリス式スペルを空席広告の一部または全部に使用している機関は、前述のEBRD、IMO、OECD、WTO そしてなぜか国連大学 UNU等、数えるほど。

第二外国語として英語を使っている職員が大部分という、言語的にも多様性に富む国際機関。コミュニケーションの手段は簡単であったほうが効率は高いといえよう。

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英作文能力の向上

「どうしたら英作文能力が上がりますか」とよく聞かれる。「とにかく書くこと」と答えはごく地味なもの。書いたものをその都度チェックしてもらえばもっと効果的だ。

毎日ウエッブ、ブログなどのソーシャルメデイアを英語で発信したり、日記を付けたりするうち、表現力を高める必要を感じるだろう。正しい語彙や文法、スペルなどを合わせて学ぶ時期かもしれない。役に立つ言い回しを暗記することも効果的だし、読書もおすすめ。

この時点でMOOC Massive Open On-line Course と呼ばれる、インターネット上の大学提供の無料英語ライテイングコースを利用し英作文に必要な基礎能力アップをすると良い。主なリンクは以下。

Oxford English Grammar
Open University writing what you know

MIT Advanced Essay Workshop

無料で英作文を直してもらえる共同体サイトも知っておくと便利かもしれない。

イタキ‘Notebook’までスクロール
ランゲージ8

これらを十分にこなし、次に行きたければ、有料のオンライン英語添削や個人、またはグループで英作文のトレーニングを受ければ良いだろう。下はネット利用の例。

ロンドンのジャーナリスト向け学校
ユニバーサルクラス

自分で気をつけるだけでも英作文の質は上がる。書いたものを、編集者や読み手側に立って、客観的にチェックしてみよう。心がける点はまず英語で考え、アウトラインを作っておくこと、必要以上に説明しない、価値のない形容詞や副詞などを取り払い、前置詞を最小限に抑える。また説明は明確に、少ない字数でやることなど。

このように英作文は1日にしてならず。地道な努力がいつか実を結ぶというもの。キャリア国際機関でも添削サービスをしているので利用して欲しい。

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お知らせ

 

JPO 応募書類添削等のご依頼には、リソースセンター内のコンタクトフォームをご利用ください。メニューバー上の”お問い合わせ” をクリックしてもフォームを記入できます。
careerkokusai@gmail.com 宛にメールでお問い合わも可能です。
キャリア国際機関
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ジュネーブ国連職員のスト

国連ジュネーブ事務局の職員たちは「不当な」賃金カットをめぐり3月16日に1日のストライキを実施。当日開催予定だった人権理事会の会議が延期になった他、他の重要会議も中止され、職員のストで会合が開けないという異例の事態となった。

国連職員の共通勤務条件を調整する国連人事委員会は、加盟国の要請により国連関連機関の各所在地で生活費を調査。購買力の下がったニューヨークの職員と水準を揃えるためジュネーブ職員の賃金を5.1%引き下げる提案をした。

今年2月給料3.5%引きとなった職員は2時間のストライキを実地。今回は6月に予定されている1.6 %カットに対してのストだ。給料カットはバンコクで13.4 %、東京では25%。ニューデリーやカイロも対象になっている。

ジュネーブ国際機関に働く公務員は約10000人。国連共通制度加入31機関は同じ給与体系なので影響は大きく、ILO, OMMなどでもストが行われた。

「仕事の割に高待遇」と、地元では国連職員を高収入で税金を収めない特権階級のように見ている。しかし海外駐在生活は費用がかさむもの。言葉の関係等で伴侶が働けないのもハンデだ。扶養家族がいて定期的に職場を変えられない公務員の昇進や契約更新は限られる。

世界の公務員の中で最も高給取りと言われる国際機関職員だが、物価の高いジュネーブでの暮らしはそう楽ではない。勤務条件、待遇がこれ以上劣化しないよう願うばかりだ。

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国連ボランティア計画(UNV)でのキャリア

UNVは世界規模のボランティアリズムによって、平和と開発に貢献している機関。UNVでのボランティア経験が国際機関就職へ繋がるケースは多い。日本人向けプログラムもあるのでUNVを国際機関キャリア形成にもっと組み込みたいものだ。

ドイツのボンに本部を置くUNVは国連開発計画(UNDP)事務所を通じ世界各地で活動。毎年6000人以上、150か国以上からの国連ボランティアを国内外で動員する。2億ドルの年間予算は約25%がUNDP、残りは国際機関やドナー国政府が負担している。

日本は、財政支援額や政治的サポート面でUNV最大の支援国。政府拠出の日本信託基金により、毎年日本人国連ボランティアが世界各地に派遣されている。これらボランティアの任期は平均1年で、公募ポストは邦人のみ応募可能。年齢制限はない。

外務省委託の平和構築人材育成事業では、国内研修の後、UNVが海外実務研修を担当し国際機関に研修生を配置。平和構築だけでなく開発系キャリアを目指す者も対象となる。

JICAが費用を負担し、青年海外協力隊出身者をUNVにボランティアとして派遣する制度もある。また国連ユースボランティアは日本信託基金を受け、大学生を5ヶ月間途上国の国連事務所に派遣するもの。2017年時で国内9大学が提携している。

国連ボランティアは即戦力として使われ、大卒プラス5年程の専門分野での経験が必要。独立して活動するP3程度の仕事が主だ。応募は登録制で、適格者は派遣要請が出されてから選出されるが、要請が必ずある保障はない。

不定期な特別募集で緊急動員される職種は、人権や難民保護、IT、ロジ、水衛生環境専門家、プログラム管理等。正式職員と手当の差はあるも職務責任や競争率は意外に高い。国連時代、エジプト事務所の広報責任者がUNVボランティアで驚いた記憶がある。

比較的高レベルの選考基準を見ても、UNV就職には邦人向けの機会を活かすのが早道とわかる。ボランティアの精神、待遇条件を前もって理解し、活動形態に同意する場合のみ応募しよう。

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多文化都市ジュネーブ

冬季オリンピック中、よくアパートの外にカナダやノルウェーの国旗がひるがえりジュネーブの国際性を感じたもの。外人の多いこの街では、スイスだけでなく色々な国の応援団が目につく。サッカーのゲーム等では勝利国のパレードが試合のたび市内で繰り広げられる。

ほぼ50万人に上るジュネーブ州人口の41パーセントは外人で、189の国籍に及ぶ。国際機関関係、多国籍企業関係の外国人の他、10カ国以上の難民も居住している。世界で最も小さい国際都市、と言われる所以だ。

ジュネーブの国際性をものがたるエピソードは日常生活の中にも多い。普通のキオスクやスーパーで何カ国語もの雑誌や本を売っていること。小さな店でさえも外国の食料品を置いてあること。公共交通機関では色々な言葉が聞こえ、どの国にいるのか混乱するほど。今では日本でも珍しくなくなったテレビのマルチ言語チャンネルも、古くから整備されている。

多国籍な職場環境にいるジュネーブの国際機関職員だが、一歩街に出ても多文化環境が続くわけだ。これは他の国際機関所在地ニューヨークやウイーン、ナイロビ、バンコク等と比べてもユニークな特徴だろう。ジュネーブ勤務中、フランス語を日常生活でほぼ使わなかったとか、スイス人の知り合いがいなかったという例も多く、少し残念ではある。

ジュネーブの学生にとって、自分と違う外観や文化の友達やクラスメイトがいるのは自然なこと。そんな環境で育っていけば、語学の上達はもちろんだが、異文化に対する態度や考え方も違ってくるのではないか。これらの青少年は、自分と違うものに対する抵抗感は低く、差別的な態度も少ないだろうから、地球市民としての今後に期待したいものだ。

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民間企業経験が活かせる職種

国際機関採用プロセスでは、専門分野での学歴と職務経験が重視される。国際機関に近い 職場環境 、例えば、官公庁関係、在外公館 JICA、 NGO 等 での勤務を得て就職となるケースが多いようだ。では民間企業での経験はどう評価されるのか。

職種によっては、民間企業出身者は内部職員より歓迎される。進化が早く知識や技術への投資コストが高い分野で、民間企業のノウハウが国際機関より進んでいる場合だ。例えばIT関係だと 最先端の知識、技術をもっている外部の者が優先される。国連時代、同僚のIT担当者 にはGやM出身がよくいたもの。

投資バンキング、会計監査、エンジニア といった職種も外部調達が多い。世界的に著名な企業や大手コンサルでの経験 は特に歓迎される。また医師や妊産婦、健康管理専門家は供給不足と言われており、とりわけ短期緊急ポストでは採用チャンスが高い 。

人事、物資調達やロジ、財務、法律、コミュニケーション等にも民間企業の経験は有効。シンクタンク、多国籍企業、開発コンサル、国際法律事務所、外資系銀行などの経験が活かせる。ただし、これらはITや医療関係と違い民間経験オンリーでは競争力が弱い。

国際機関空席 やJPOへの応募 には、民間企業 プラス 国際機関の経験が有利 。インターン、ボランタリー、短期採用やコンサル、技術協力専門家、あるいはパートナーシップや会議、タスクフォース、ネットワーク に参加、といった 活動を早いうちからキャリア計画に入れるべきだろう。

応募やキャリアについてのアドバイス希望者はこのサイトお問い合わせにあるコンタクトフォームを利用していただきたい。

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カバーレターテンプレート

「カバーレターのひな型を作りたい」という希望は多い。なるほど その都度空席番号だけ 変えて応募していけば、時間と労力の節約というもの。だが実行してみると、そう単純ではないことに気づく。

応募の度個別化せず、雛型のまま送れば採用側へのインパクトは低い。しかし動機や 強みをその都度空席に合わせて直すとなると、サンプル修正が大掛かりとなり不効率。解決策としては、基本的な構造を作っておき 一部を空席に適応させること。標準的なフレームワークは以下の通り。

まず空席のタイトルや番号を入れ、応募の意思を示す。この後自己紹介 (オプショナル)、応募動機を書く。 仕事の魅力度や、その機関の目標への同意など読者 を納得させる例を記述し、常套句は避けよう。すでに職員であれば、特に書かなくてもよい。

最も重要なのは自分のプロフィールと空席との合致点。 職歴の要約ではなく、空席に関連した長所を主張する。特にアピールしたい部分は具体的な例やエピソードを入れ、 インパクトのある一 小節をセールスポイントとして 加えると効果的。

最後に一般的な結び文句を入れて完成だ。 労力を惜しまずアピール度の高い レターを一旦作っておけば、 次回からのレター作りが簡単になるだろう。

このサイトでもカバーレターの添削サービスを提供しているので、ご利用いただきたい。

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