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英作文能力の向上

「どうしたら英作文能力が上がりますか」とよく聞かれる。「とにかく書くこと」と答えはごく地味なもの。書いたものをその都度チェックしてもらえばもっと効果的だ。

毎日ウエッブ、ブログなどのソーシャルメデイアを英語で発信したり、日記を付けたりするうち、表現力を高める必要を感じるだろう。正しい語彙や文法、スペルなどを合わせて学ぶ時期かもしれない。役に立つ言い回しを暗記することも効果的だし、読書もおすすめ。

この時点でMOOC Massive Open On-line Course と呼ばれる、インターネット上の大学提供の無料英語ライテイングコースを利用し英作文に必要な基礎能力アップをすると良い。主なリンクは以下。

Oxford English Grammar
Open University writing what you know

MIT Advanced Essay Workshop

無料で英作文を直してもらえる共同体サイトも知っておくと便利かもしれない。

イタキ‘Notebook’までスクロール
ランゲージ8

これらを十分にこなし、次に行きたければ、有料のオンライン英語添削や個人、またはグループで英作文のトレーニングを受ければ良いだろう。下はネット利用の例。

ロンドンのジャーナリスト向け学校
ユニバーサルクラス

自分で気をつけるだけでも英作文の質は上がる。書いたものを、編集者や読み手側に立って、客観的にチェックしてみよう。心がける点はまず英語で考え、アウトラインを作っておくこと、必要以上に説明しない、価値のない形容詞や副詞などを取り払い、前置詞を最小限に抑える。また説明は明確に、少ない字数でやることなど。

このように英作文は1日にしてならず。地道な努力がいつか実を結ぶというもの。キャリア国際機関でも添削サービスをしているので利用して欲しい。

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お知らせ

 

JPO 応募書類添削等のご依頼には、リソースセンター内のコンタクトフォームをご利用ください。メニューバー上の”お問い合わせ” をクリックしてもフォームを記入できます。
careerkokusai@gmail.com 宛にメールでお問い合わも可能です。
キャリア国際機関
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ジュネーブ国連職員のスト

国連ジュネーブ事務局の職員たちは「不当な」賃金カットをめぐり3月16日に1日のストライキを実施。当日開催予定だった人権理事会の会議が延期になった他、他の重要会議も中止され、職員のストで会合が開けないという異例の事態となった。

国連職員の共通勤務条件を調整する国連人事委員会は、加盟国の要請により国連関連機関の各所在地で生活費を調査。購買力の下がったニューヨークの職員と水準を揃えるためジュネーブ職員の賃金を5.1%引き下げる提案をした。

今年2月給料3.5%引きとなった職員は2時間のストライキを実地。今回は6月に予定されている1.6 %カットに対してのストだ。給料カットはバンコクで13.4 %、東京では25%。ニューデリーやカイロも対象になっている。

ジュネーブ国際機関に働く公務員は約10000人。国連共通制度加入31機関は同じ給与体系なので影響は大きく、ILO, OMMなどでもストが行われた。

「仕事の割に高待遇」と、地元では国連職員を高収入で税金を収めない特権階級のように見ている。しかし海外駐在生活は費用がかさむもの。言葉の関係等で伴侶が働けないのもハンデだ。扶養家族がいて定期的に職場を変えられない公務員の昇進や契約更新は限られる。

世界の公務員の中で最も高給取りと言われる国際機関職員だが、物価の高いジュネーブでの暮らしはそう楽ではない。勤務条件、待遇がこれ以上劣化しないよう願うばかりだ。

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国連ボランティア計画(UNV)でのキャリア

UNVは世界規模のボランティアリズムによって、平和と開発に貢献している機関。UNVでのボランティア経験が国際機関就職へ繋がるケースは多い。日本人向けプログラムもあるのでUNVを国際機関キャリア形成にもっと組み込みたいものだ。

ドイツのボンに本部を置くUNVは国連開発計画(UNDP)事務所を通じ世界各地で活動。毎年6000人以上、150か国以上からの国連ボランティアを国内外で動員する。2億ドルの年間予算は約25%がUNDP、残りは国際機関やドナー国政府が負担している。

日本は、財政支援額や政治的サポート面でUNV最大の支援国。政府拠出の日本信託基金により、毎年日本人国連ボランティアが世界各地に派遣されている。これらボランティアの任期は平均1年で、公募ポストは邦人のみ応募可能。年齢制限はない。

外務省委託の平和構築人材育成事業では、国内研修の後、UNVが海外実務研修を担当し国際機関に研修生を配置。平和構築だけでなく開発系キャリアを目指す者も対象となる。

JICAが費用を負担し、青年海外協力隊出身者をUNVにボランティアとして派遣する制度もある。また国連ユースボランティアは日本信託基金を受け、大学生を5ヶ月間途上国の国連事務所に派遣するもの。2017年時で国内9大学が提携している。

国連ボランティアは即戦力として使われ、大卒プラス5年程の専門分野での経験が必要。独立して活動するP3程度の仕事が主だ。応募は登録制で、適格者は派遣要請が出されてから選出されるが、要請が必ずある保障はない。

不定期な特別募集で緊急動員される職種は、人権や難民保護、IT、ロジ、水衛生環境専門家、プログラム管理等。正式職員と手当の差はあるも職務責任や競争率は意外に高い。国連時代、エジプト事務所の広報責任者がUNVボランティアで驚いた記憶がある。

比較的高レベルの選考基準を見ても、UNV就職には邦人向けの機会を活かすのが早道とわかる。ボランティアの精神、待遇条件を前もって理解し、活動形態に同意する場合のみ応募しよう。

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多文化都市ジュネーブ

冬季オリンピック中、よくアパートの外にカナダやノルウェーの国旗がひるがえりジュネーブの国際性を感じたもの。外人の多いこの街では、スイスだけでなく色々な国の応援団が目につく。サッカーのゲーム等では勝利国のパレードが試合のたび市内で繰り広げられる。

ほぼ50万人に上るジュネーブ州人口の41パーセントは外人で、189の国籍に及ぶ。国際機関関係、多国籍企業関係の外国人の他、10カ国以上の難民も居住している。世界で最も小さい国際都市、と言われる所以だ。

ジュネーブの国際性をものがたるエピソードは日常生活の中にも多い。普通のキオスクやスーパーで何カ国語もの雑誌や本を売っていること。小さな店でさえも外国の食料品を置いてあること。公共交通機関では色々な言葉が聞こえ、どの国にいるのか混乱するほど。今では日本でも珍しくなくなったテレビのマルチ言語チャンネルも、古くから整備されている。

多国籍な職場環境にいるジュネーブの国際機関職員だが、一歩街に出ても多文化環境が続くわけだ。これは他の国際機関所在地ニューヨークやウイーン、ナイロビ、バンコク等と比べてもユニークな特徴だろう。ジュネーブ勤務中、フランス語を日常生活でほぼ使わなかったとか、スイス人の知り合いがいなかったという例も多く、少し残念ではある。

ジュネーブの学生にとって、自分と違う外観や文化の友達やクラスメイトがいるのは自然なこと。そんな環境で育っていけば、語学の上達はもちろんだが、異文化に対する態度や考え方も違ってくるのではないか。これらの青少年は、自分と違うものに対する抵抗感は低く、差別的な態度も少ないだろうから、地球市民としての今後に期待したいものだ。

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民間企業経験が活かせる職種

国際機関採用プロセスでは、専門分野での学歴と職務経験が重視される。国際機関に近い 職場環境 、例えば、官公庁関係、在外公館 JICA、 NGO 等 での勤務を得て就職となるケースが多いようだ。では民間企業での経験はどう評価されるのか。

職種によっては、民間企業出身者は内部職員より歓迎される。進化が早く知識や技術への投資コストが高い分野で、民間企業のノウハウが国際機関より進んでいる場合だ。例えばIT関係だと 最先端の知識、技術をもっている外部の者が優先される。国連時代、同僚のIT担当者 にはGやM出身がよくいたもの。

投資バンキング、会計監査、エンジニア といった職種も外部調達が多い。世界的に著名な企業や大手コンサルでの経験 は特に歓迎される。また医師や妊産婦、健康管理専門家は供給不足と言われており、とりわけ短期緊急ポストでは採用チャンスが高い 。

人事、物資調達やロジ、財務、法律、コミュニケーション等にも民間企業の経験は有効。シンクタンク、多国籍企業、開発コンサル、国際法律事務所、外資系銀行などの経験が活かせる。ただし、これらはITや医療関係と違い民間経験オンリーでは競争力が弱い。

国際機関空席 やJPOへの応募 には、民間企業 プラス 国際機関の経験が有利 。インターン、ボランタリー、短期採用やコンサル、技術協力専門家、あるいはパートナーシップや会議、タスクフォース、ネットワーク に参加、といった 活動を早いうちからキャリア計画に入れるべきだろう。

応募やキャリアについてのアドバイス希望者はこのサイトお問い合わせにあるコンタクトフォームを利用していただきたい。

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カバーレターテンプレート

「カバーレターのひな型を作りたい」という希望は多い。なるほど その都度空席番号だけ 変えて応募していけば、時間と労力の節約というもの。だが実行してみると、そう単純ではないことに気づく。

応募の度個別化せず、雛型のまま送れば採用側へのインパクトは低い。しかし動機や 強みをその都度空席に合わせて直すとなると、サンプル修正が大掛かりとなり不効率。解決策としては、基本的な構造を作っておき 一部を空席に適応させること。標準的なフレームワークは以下の通り。

まず空席のタイトルや番号を入れ、応募の意思を示す。この後自己紹介 (オプショナル)、応募動機を書く。 仕事の魅力度や、その機関の目標への同意など読者 を納得させる例を記述し、常套句は避けよう。すでに職員であれば、特に書かなくてもよい。

最も重要なのは自分のプロフィールと空席との合致点。 職歴の要約ではなく、空席に関連した長所を主張する。特にアピールしたい部分は具体的な例やエピソードを入れ、 インパクトのある一 小節をセールスポイントとして 加えると効果的。

最後に一般的な結び文句を入れて完成だ。 労力を惜しまずアピール度の高い レターを一旦作っておけば、 次回からのレター作りが簡単になるだろう。

このサイトでもカバーレターの添削サービスを提供しているので、ご利用いただきたい。

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アクション動詞

応募書類の書き方セミナーでいつも強調するのが「採用側を意識した」書類。 読み手に アピールする 書類をどう作るか。パワーワーズはそのための重要なツール だ。

これらの単語やフレーズは職歴や業績を簡潔かつ力強く印象に残すためのもの 。 機関独自の価値観や、空席広告のキーワード、職業に独特な業界用語、重宝されそうな 資質などを盛り込み他の応募書類との差別化をはかる。

よく耳にするアクション動詞はパワーワーズの一つ 。正確に経験や業績を記述し能力を際立たせる。だがアクション動詞のリストに乗っているもの全てが効果的なわけではない。

アクション動詞の中には使い古され、新鮮味にかけるものが多々。led, organised, managed, supported, improved, motivated などは 採用担当官時代、繰り返し目にした。日本人が よく使う, involved, assisted, participated, arrangedもインパクトは低 い。

ではどういう言い回しなら効果的か。例として、上にあげた動詞をorchestrated, chaired, programmed, operated, guided, initiated, collaborated, facilitated, capitalized, integrated, clarified, remodeled, partnered 等で代用したらどうか。これらは一捻りあり、国際機関のボキャブラリーともかけ離れていない。

各機関で頻繁に使われている一般的動詞をある程度リピートするのはやむを得ない。だがそれだけでなく、 ボキャブラリーに変化を持たせ ピッタリの動詞も使っていけば有効だろう。

印象に残すためとはいえ、経歴や空席に合っていない動詞を使っては逆効果。バズワードのみの使用や、自分でも意味のよくわかってないものを書いたりしても マイナスとなる。アクション動詞をうまく使い 応募書類にパワーを持たせたいものだ。

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カバーレター

「カバーレターって大事ですか。 」と良く聞かれる。重要であるのはもちろんだがその度合いは国際機関や採用担当者にもよる。ほぼ無視するところ、履歴書と合わせて 読むところ、カバーレターのみでスクリーニングをすませようとする雇用マネージャーなど。

カバーレターをそれ程重要視する雇用者がいるのも驚きだが、これには理由がある。自分と空席との合致を 少ない字数で効果的にアピールできる能力と書き方のスタイル、英語力が顕著に現れるからだ。散文的に事実をリストアップし、表現やスタイルがある程度定まっている履歴書よりは応募者の個性が発揮され、差別化ができる。

理想の書類は、要求条件に合致し、簡潔で一貫性があり必要な情報がすぐ目につくもの。 英語が正しいことはもちろんだ。カバーレター作成のポイントはセミナーで説明しているが、先に構造を作っておき、それに従って組み立てていくと書きやすいだろう。

数々のレターを見てきたが、多いエラーは、履歴書の要約版になっているもの。採用者が 知りたいのは応募者と空席との合致。最も空席に近い成果、経験を具体的に箇条書きし、空席と無関係の能力や業績、 記述は避けよう。

ポストとのマッチを強調するには、空席広告を熟読する必要がある。書かれている任務ごとに自分の職歴と比べ、経験済みかどうかチェックすると効果的。実際の経験やエピソードを入れ インパクトのある独自のセールスポイントを書ければ上級だ。

このようにカバーレターはマーケテイングツールでもある。一ページ足らずの書類だが履歴書作成と同じくらいの労力を投入すべきだろう。このサイトでもカバーレターの添削サービスを提供しているので、ご利用いただきたい。

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キャリア国際機関2017年の軌跡

キャリア国際機関のサイトを立ち上げ、国際機関キャリア支援サービスを始めて早二年半あまり。今年の主な活動と成果を振り返って見たい。

今年もほぼ2週間おきに、国際機関のキャリア開発に役立ちそうな記事をアップロードしてきた。掲載された記事は25件あまり。2017年にキャリアアドバイス、コーチング、応募書類添削、模擬面接等のサービスを利用した者は約70人。報告のあった範囲では、JPO試験を経ての者も含め、国際機関に採用されたものが7名とうれしい結果に結びついている。

筆記試験や面接までたどり着くも、無念の結果に終わる人がいる一方、JPOやYPP等の狭き門をくぐり試験に受かりながらも、赴任を迷う者もおり、キャリアとは人それぞれだなと強く感じた一年でもあった。

今年はレクチャーの機会にも恵まれた。外務省主催の応募書類書き方セミナーを東京で2度行ったほか、日本の大学向け講義が二度、某アメリカ大学のスイスキャンパス でもキャリア 開発セミナーを実行した。また日本の 大学院生及びジュネーブ国際機関訪問ツアーの学生たちに個別キャリアカウンセリングをする機会に恵まれ、若さの可能性を感じさせてもらった。

外務省人事センター等の努力のおかげで、国際機関就職関係の情報は充実している。しかし、個別のプロフィールやキャリアのニーズに合った 機関や空席を捜し、応募書類を作るための支援 は稀である。とくに地方の社会人や海外在住者は孤立しがち。アドバイスや適切な情報のないまま、プロフィールの合致していないポストに 応募を繰り返し、あきらめてしまうケースも多いと想像できる。

国際機関就職希望者のみならず現職員からもアドバイスやコーチングの依頼はあり、この分野でもキャリアサポートの強化は必要だろう。とくにJPOはコーチやメンターが早い時点からついていれば、 正式職員になれる可能性が高くなると思う。

なるべくたくさんの人に役立ちたいという思いから、キャリア国際機関のサービス料金は比較的低く設定してある。応募の成功、不成功にかかわらずアドバイスや面接、書類添削後の結果を知らせてもらえると、とてもやりがいがある。

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