国際機関の採用によく使われるアセスメントツールは何か。面接、サイコメトリックテスト以外にも複数ある。評価方法をいくつか組み合わせ、 候補者を効果的に選び出すためだ。
主なものをあげてみよう。
- ロールプレイ:空席に類似した架空の役割を演じてもらい、その言動から部下、上司、顧客等との交互作用を見る。
- ケーススタディー:ケースに応じ、組織のマネジメントや戦略を提案させ、専門のアセッサーが評価。状況分析や対策を書かせ、雇用上司が判断する場合もある。
- 能力 テスト:仕事に要する 計算能力、分析判断力などのテスト。統計、内部監査、財務などの職種 に実地される。言語関係ポスト、YPP、 一般職用の大規模な競争試験もこの部類。
- 筆記試験:専門知識に関するテーマを2問程出し1-2時間でエッセイ形式の答えを書かせる。架空の状況に対処する手紙や、スピーチ、プロジェクト企画書などの課題もあり。
- プレゼンテーション:特定のテーマについてプレゼンさせ、コミュニケーション能力、専門知識等をみる。
- グループディスカッション:候補者の議論参加状態から主張能力を判断。
- インバスケットエクササイズ:限られた時間内に課題を与え、仕事処理能力を測る。
国際機関で最も頻繁な選抜用メソッドは、筆記試験とコンペタンシー面接だろう。ポストによってはプレゼンテーションや能力 テストも利用される。これらはアセッサーを必要としないので手軽にできる。
ロールプレイ、ケーススタディ、グループディスカッション、インバスケットには専門家を要しコストが高くなる。利用する機関は一部だが主に管理職ポストが対象だ。
管理職アセスメントには、 面接の他に2つか3つのメソッドを組み合わせる。 ロールプレイとサイコメトリックテストがよく使われているようだ。
専門家の評価後、採用側は、面接等の結果と合わせて候補者の判断をする。テストや面接の評価の比重は採用側の意思次第だ。
「面接や筆記試験後にもテストか。準備が大変だ。」と感じるかもしれないが、 プレゼン以外は 事前に特別な用意はいらない。アセスメントの方法や目的を理解していれば対応しやすいだろう。