国際機関就職やキャリア開発を目指す場合、英語の他にどの外国語を学んだらよいか、という質問をよく受ける。国連事務局の作業言語は英語とフランス語であることから、 フランス語を勧めるが、実情は意外と複雑。特に開発系の仕事では要注意だろう。
空席広告ではほぼどこでも英語が要求されるが、二番目の言語としてフランス語、またはその他の公用語 (国連であればスペイン語、中国語、ロシア語、アラビア語)ができると有利になる 機関がほとんど。UNICEF では第二言語が公用語でない現地語でも認められる。
ただしUPU (万国郵便連合)UNOG, OECD, UNESCOやWHO 本部では、第一、第二言語として英仏どちらも要求される。 一方IMFや ADB 等の空席広告では第二外国語は とりわけ記されていない。
ウィキペディアによると 使用国の数が多い 言語は、英語の他フランス語、アラビア語、スペイン語、ポルトガル語。 フランス語はアフリカ54国の半数近くが使用しているし、スペイン語は南米で圧倒的に強い。アラビア語 は途上国を含め広い地域で使われている。
ポルトガル語はブラジルをはじめ、アフリカでも6カ国が使用している。国際電気通信連合時代にはよくアフリカのフランス語圏でセミナーをしたが、ポルトガル語の参加者にわかってもらうのに四苦八苦したものだ。公用語ではないものの、空席広告で第二外国語として要求されることもある。
開発関係で アラビア語、ポルトガル語が穴 と言われるのは、需要の割に英語プラスそれらを話す候補者が少ないという背景にもよる。 公用語とは言え、ロシア語、中国語は使用国が限られており他の言語に比べ適応範囲が狭いといえる。
ジュニアレベル採用者の81.5%が2つ以上の公用語 ができる、という統計が出ているくらい、語学力は重要なスキル。言語が一つできると キャリア開発の可能性も広がる。キャリアアップの条件に可動性が求められる今日、 第二外国語をどう選択し、どの国で適用していく かの戦略も重要となるだろう。