冬季オリンピック中、よくアパートの外にカナダやノルウェーの国旗がひるがえりジュネーブの国際性を感じたもの。外人の多いこの街では、スイスだけでなく色々な国の応援団が目につく。サッカーのゲーム等では勝利国のパレードが試合のたび市内で繰り広げられる。
ほぼ50万人に上るジュネーブ州人口の41パーセントは外人で、189の国籍に及ぶ。国際機関関係、多国籍企業関係の外国人の他、10カ国以上の難民も居住している。世界で最も小さい国際都市、と言われる所以だ。
ジュネーブの国際性をものがたるエピソードは日常生活の中にも多い。普通のキオスクやスーパーで何カ国語もの雑誌や本を売っていること。小さな店でさえも外国の食料品を置いてあること。公共交通機関では色々な言葉が聞こえ、どの国にいるのか混乱するほど。今では日本でも珍しくなくなったテレビのマルチ言語チャンネルも、古くから整備されている。
多国籍な職場環境にいるジュネーブの国際機関職員だが、一歩街に出ても多文化環境が続くわけだ。これは他の国際機関所在地ニューヨークやウイーン、ナイロビ、バンコク等と比べてもユニークな特徴だろう。ジュネーブ勤務中、フランス語を日常生活でほぼ使わなかったとか、スイス人の知り合いがいなかったという例も多く、少し残念ではある。
ジュネーブの学生にとって、自分と違う外観や文化の友達やクラスメイトがいるのは自然なこと。そんな環境で育っていけば、語学の上達はもちろんだが、異文化に対する態度や考え方も違ってくるのではないか。これらの青少年は、自分と違うものに対する抵抗感は低く、差別的な態度も少ないだろうから、地球市民としての今後に期待したいものだ。