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UtilizeとUseの違い

応募書類添削中に頻繁に出くわすutilize。大抵useに直すが、疑問に思う応募者も多いようだ。Utilizeとuseの違いは何なのか。

Useは「使う」の意味でほぼあらゆる状況に対応。Utilizeよりずっと古い英語で広範囲に使われるので、ほとんどの場合utilizeを代用できる。

Utilize はuse のフォーマルな形ではなく、意味も同じではない。19世紀、フランス語utiliser (使う )から取り入れられたこの語には、Make practical and effective use of(オックスフォード辞書)という特殊な意味がある。転用や活用の要素を含み、本来の使い方と違った新しい、独創性のある使い方に適用される。以下使い方例。

I use my pen to write a book.

I utilize my pen as a bookmark.

I used my frying pan to cook.

I utilized it as a weapon.

また科学用語として 運用計画が有効活用された場合、化学製品や栄養素が効果的に使用された場合にも使われる。

例 Vitamin C helps your body utilize the iron.

しかし科学論文でなければ、上の文はuseでも代用できる。

履歴書やカバーレターでuse をutilizeで置き換えると、もったいぶった印象になるばかりか英語の間違いまで披露してしまう。

I utilized my networking skills to develop new partnerships.

I applied (or used) my networking skills to develop new partnerships.

よく見かける一番目の例だが、誤用を避けるために、2番目のように書き直すのがお勧め。とにかくどちらを使うか迷ったらuseを使うことだ。

応募書類中の数字

応募書類添削中、10未満の数字をアルファベット表記しているケースに遭遇することがある。文法的には正しく直す理由はないのだが、読みにくいのが難点。今回は履歴書やカバーレターによく使われる数字の表記に注目した。

英語の数字表記は色々なスタイルがあり、ウェブの発達やグローバル化に伴い簡略化される傾向にある。ここでは、国連の編集マニュアルを主に参照。

文章中1から9まではアルファベット表記、10 から 999999はアラビア数字というのは正統ルール。だが履歴書は数字統一で良い。職歴や業績を具体化し、読み手を印象つけるための量、時間、額等が、アルファベットに埋もれてしまい目立たなくては、効果が低いからだ。読みやすさとスペース節約に数字は有効。

同文で色々な数値が使われる時は、大きい数の表記法に合わせるのが基本。計量単位やパーセントがつく場合、選挙結果等も10未満で数字表記となる。ただし同じ種類に属さない数字が同時に入る文は、一方をスペルアウトし混乱を避ける。

例 Twenty 100-mm mortars; 15 five-year-old girls

序数は9までの数字をアルファベットにした場合、first, second, third…と統一する。国連では数値の大小にかかわらずcommittee, sessionはアルファベットmeetingはアラビア数字使用。

例 The fifty-seventh session of the General Assembly; 2nd meeting

例外は文章の始め。10以上でもアルファベット綴りにする。今日このルールは無視されることも多いが、数字を文頭に使うのは避けたほうが無難。

応募書類に具体的な数字を入れると、職歴や業績が生きてくるし、カバーレターのアピール度も上がるもの。十分に使いこなし、成果をあげたい。キャリア国際機関での添削サービスも利用してほしい。

履歴書で避けたい言い回し

フォーマットの定められていない履歴書やレジュメの書き方に困ったことはないだろうか。大抵の国際機関ではテンプレートに必要な情報を記入するようになっているが、フリーの履歴書をアップロードさせる場合もある。JPO試験でも基本英文略歴(レジュメ)が導入された。

応募書類添削中目につくのは、履歴書には必要ないアイテム、語彙を入れているケース。一応の基本構成はできているのだが、不要または不適当な言い回しで損をしている。以下よく見られるものを挙げてみた。

Career objective

採用側では個人のキャリアゴールに興味を持っているわけではないので、個人の目標にあえてページをさく必要はない。

Home address

わざわざ聞かれない限り、メールだけで良い。メールは最新の、プロらしい住所を使う。email と記すだけでaddressと付け加えなくても充分。

References available upon request

必要があれば雇用側で調べるので不要。

Microsoft Office Suite

これを使いこなせない応募者はほぼいないだろうから、もっと専門的なアプリを挙げて差別化を測るべきだろう。

I, She, He, Him, Her

自分で履歴書を書いているという前提なので、これらの第一人称や第三人称はいらない筈。

Hobbies

仕事に関係ない限り避けよう。

この他にも避けたいのは具体的な例をあげないで、Soft skillsを書き並べること。特にHard worker, Team player,  Dynamic,  Self motivated など、自己申告の能力を使い古されたバズワードで形容しても逆効果だろう。

以上は基本的なものばかりで、全部をカバーしているわけではないがこれらを避けるだけでも履歴書は改善する筈。キャリア国際機関では応募書類の添削サービスもやっているので利用してほしい。

アクション動詞

応募書類の書き方セミナーでいつも強調するのが「採用側を意識した」書類。 読み手に アピールする 書類をどう作るか。パワーワーズはそのための重要なツール だ。

これらの単語やフレーズは職歴や業績を簡潔かつ力強く印象に残すためのもの 。 機関独自の価値観や、空席広告のキーワード、職業に独特な業界用語、重宝されそうな 資質などを盛り込み他の応募書類との差別化をはかる。

よく耳にするアクション動詞はパワーワーズの一つ 。正確に経験や業績を記述し能力を際立たせる。だがアクション動詞のリストに乗っているもの全てが効果的なわけではない。

アクション動詞の中には使い古され、新鮮味にかけるものが多々。led, organised, managed, supported, improved, motivated などは 採用担当官時代、繰り返し目にした。日本人が よく使う, involved, assisted, participated, arrangedもインパクトは低 い。

ではどういう言い回しなら効果的か。例として、上にあげた動詞をorchestrated, chaired, programmed, operated, guided, initiated, collaborated, facilitated, capitalized, integrated, clarified, remodeled, partnered 等で代用したらどうか。これらは一捻りあり、国際機関のボキャブラリーともかけ離れていない。

各機関で頻繁に使われている一般的動詞をある程度リピートするのはやむを得ない。だがそれだけでなく、 ボキャブラリーに変化を持たせ ピッタリの動詞も使っていけば有効だろう。

印象に残すためとはいえ、経歴や空席に合っていない動詞を使っては逆効果。バズワードのみの使用や、自分でも意味のよくわかってないものを書いたりしても マイナスとなる。アクション動詞をうまく使い 応募書類にパワーを持たせたいものだ。

応募書類の書き方セミナー

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来る9月6日外務省主催の応募書類の書き方についてのセミナーが東京市ヶ谷で開催される。当サイトの管理人小島晶子が講師となるこのセミナーでは、国際機関に応募する際必要な履歴書及びカバーレターの書き方について指導することになる。

普段ならもっと長く、具体的な練習等も入るこのようなトレーニングを一時間あまりで講義するのだから、情報量はかなり多い。それなりに濃縮して書類作成の際の日本人特有の傾向や改善点にも触れていく予定である。何百という応募書類の中で雇用側の目に留まる書類の特徴とは何か、それを国際機関人事部にいた管理人の実務経験に基づいて解説していきたい。

輝く履歴書、とよく言われるが私が実際に見た限りでは、他に比べて格段に抜きん出ている履歴書に遭遇することは滅多にないと言っていい。一般的に応募者のレベルが向上しまた平均化してきている今日、抜きん出た経歴というのが稀になってきているのが主な理由だろうか。その分、競争は激化する傾向にある。また何度にも及ぶスクリーニングの後、筆記試験や面接で何人かの採用可能な最終候補に絞る国際機関のリクルートプロセスでは、応募者が輝く履歴書のみで選出されることはない。

そのような激しい競争の 中で、一分にも満たない最初のスクリーニングを通過するには、まず求められている条件をすべて満たしていることが要求される。これがなければいくら立派な応募書類でも直ちに除外される。ほぼ50パーセントの応募書類は基本条件を満たしておらず、それだけで候補者は半減するわけだ。

条件を満たしていれば、応募書類の書き方、空席と自己プロフィールの合致の売り込み方などでかなり差をつけられる。そのためにも空席広告締め切りギリギリまで待っていないで、早めに空席に適応した応募書類を作るべきだろう。このような努力は時間も労力も結構かかるが最終的には報われるものと思う。キャリア国際機関でも添削サービスをしているので利用してほしい。

履歴書作成の要点

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履歴書作成の際の要点はすでに記事にしたが、大事なテーマなので何度も触れる価値はあると思う。採用側が300近い応募フォームを短い時間で評価し、ロングリストやショートリストを作るものだから、時間を充分かけて満足のいくものを作成すべきだろう。

前述したように理想的な履歴書の条件は、空席の要求条件に合致したもの、簡潔で一貫性があり理解しやすいもの、必要な情報は全て揃っているもの、内容、文法、スペルに間違いのないものということになる。ではどのようにして採用側の目に留まる履歴書を作成することができるだろうか。

空席広告をみると最初に仕事環境や状況が書いてあり、そのあと仕事の記述、仕事遂行に必要な経歴や条件が続いている。これらをよく読んで分析し自分の職歴との共通点を見つけて強調していく。共通点は学歴経験だけでなく仕事内容、環境そして、語彙にまで及ぶということを頭にいれておこう。仕事内容の文をそのままコピーすることはできないが、動詞や似たような表現、その他のボキャブラリーをいくつか利用すると効果的だろう。

また強調したい共通項はなるべく早く採用側の目に留まるよう、職歴上部に書くように心がけよう。最後の最後までよんでやっと応募者の強調したい点がわかるようでは、スクリーニング過程で除去される危険がある。

仕事の記述を分析した後は広告の最後にある必要とされる学歴、経験、資格、言語等と自分のプロフィールを再度比べてみる。競争の激しい昨今では基本的な条件を全て満たしてなければ、応募する必要はないと判断していいと思う。資格条件と自分のプロフィールとの合致はカバーレターで強調するといいだろう。

このように空席広告にいちいち合わせて応募書類を作る必要がある。いくら立派にかけている履歴書でも空席広告内容に適応していない場合は、応募者の動機はそれほど高くないと評価されるだろう。ときどき空席公募の参照番号まで前の応募のままだったりする応募書類があり、応募者の真剣度具合いが疑われたりする。

キャリア国際機関では応募書類添削サービスもしているので、必要であれば利用してほしい。