ジュネーブ国際機関日本人職員会(JSAG)の企画した、国際機関を目指す留学生との懇親会に参加する機会に恵まれた。ジュネーブとその近郊には、30~40人を超える日本人留学生や研究生がいるそうで、ロンドンからの留学生も含め、11月25日の懇談会に参加した学生は40名ほどであった。現職員に、仕事内容や生活のことなどを直接質問できる良い機会でもあり、会場のあちこちで活発な交流がなされた。
国際機関への就職説明会に参加した後なので就職への一般情報は皆、把握済みである。今後の留学生の課題は、国際機関就職の最低基準である、専門分野での学歴と職歴をどう合致させ構築していくかだと思われる。国際機関キャリアに関する様々な相談は、学位習得前の経験がどう評価されるかと、習得後どんな経験を積むべきかに関するものが多かった。
国際機関採用の際高く評価されるのは、公募中のポストの環境と近い職場で得た経験である。例えば同じような活動をしている他の国際機関、政府間機関、NGO,JICA,開発コンサル等での経験が重視される。また開発関係のポストであれば途上国での職歴も評価される。留学生にはすでに日本での職歴がある者も多いのだが、習得中の学位と同分野でかつ上記のような環境での経験を有するものは少ないと思う。
国際機関就職の最短距離といわれる外務省のJPO試験においても、専門分野での学歴と職歴の合致は求められる。ただし職歴は国際機関に近い環境で経験したものでなくても、ある期間インターンや短期採用等で、国際機関との接点があれば書類選考で考慮されているようだ。専門分野での経験がない場合は国連のヤングプロフェッショナルの試験に応募するという手がある。経験は問われないが、競争率はJPOの60倍以上の狭き門だ。
キャリアは100人いれば100通りあると言われるように、個人的な要素が強い。共通の情報と供に、個別のケースに応じたアドバイスも留学生たちに必要であろう。またいつキャリア戦略やプランをたてればいいかという問いもあったが、これは、早くスタートできればできるほど有利と答えている。プロジェクト管理と同じで初期の調整、修正、実行は、キャリアの途中でやるより、ずっと簡単だからである。
留学生達のやる気とエネルギーが感じられ、交流会は良い刺激となった。今後もグローバル人材育成サイト、キャリア国際機関のサービスを充実させ、彼らを支援していきたいと思う。