
昨日、政府開催のスイス人失業者向け研修の講師をした。この研修は7日間にわたり、国際協力に興味をもっている参加者にその基礎を教えるもの。
異文化間コミュニケーション、国際協力の仕事、プロジェクト管理、NGO や国連機関への就職について等の内容で、現地の利を生かした、国際機関への6か月インターン制度もある。
半日の国連機関についてのセミナーを4年前から担当しているが、16人の参加者を満足させるのは大変だ。最初は国際機関の活動や人事制度、職務内容を説明していたが、退屈そうな様子。失業中と言え、大学出まもなくから60歳近いベテランまでと知識、動機にばらつきがあり、国際機関に就職を考えているものは少数派。
失業者には全てのコースへの出席が必須。国際機関に興味のない参加者にどうアピールするか、で色々試した結果落ち着いたのが、コンペタンシー面接の実習だ。
国連に代表される国際機関のコンペタンシー面接は民間企業や政府機関でも使われる傾向にある上、普通の面接にも十分役に立つ。私企業の就職面接でよく出る長所や短所を聞かれる質問や、こういう場合、どういう行動をとるか、等のシナリオベース質問には最適。
採用面接では、質問への答えが良く構成されいて具体的であるほど、候補者の得点は上がる。また空席広告をよく分析し、自分の長所や過去の行動を強調する習慣は応募書類作成にも有効。念入りな準備は自信にもつながり、落ち着いて面接に臨める。
国連が人事決定の際に公平性、客観性、そしてグローバルな一貫性を維持するために生まれたこの面接方法は、時間がかかる上、採用側にも候補者側にも負担がかかる。コンペタンシー面接準備の努力をもっと他の機会にも生かしてほしい。






