国際機関での昇進

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一度契約が安定したら、たいていの人が昇進について考えるのではないだろうか。

国際公務員は昇進を意識しすぎだとよく批判される。しかしルールにしばられ、経営陣や人事部の一存で人財を動かせない国際機関では、仕事処理能力や努力だけで昇進は望めない。その結果職員が自己でキャリアを切り開こうとすることになる。

では昇進することにおける経済面以外のメリットは何だろう。まず、自分の実力が認められたことに対する充実感と仕事への意欲の向上がある。決断や予算面での権限が増し、影響力が上がるので、プロジェクト実施がやりやすくなる。また上に行くほど情報が入手しやすく、自己のサバイバルに有利に働く。このほか、若手や同僚の管理育成や、機関内のマネジメントに自分の考えを反映できるという点もあるだろう。

ただし昇進したことで雑用と部下管理ばかりが増えてしまい、自分の得意分野でスペシャリストとして活躍できなくなるというデメリットもあるので、やみくもに管理職を選ぶのも考えものである。給料の面からいけば、グレードが一つ低くても滞在年数が多いので収入は上司より高いというケースもよくある。何が自分にとって一番大切な価値かをまず見極めるるべきであろう。

国際機関での昇進には以下のケースが挙げられる。

自分のポストよりグレードの高いポスト(機関内,外)に応募し、採用される。機関内であれば、すぐその下のグレードを最低何年経験する等の条件が課せられることがあるが、他の機関に行けば、そういう制限はかからない。

自分のポストのグレードをjob classificationにより上げてもらい、そのポストと供に昇進。これは自身のポストでも、公募対象になり選考されなければ上がらない制度と、ポストのアップグレードに伴って条件さえ満たせばほぼ自動的に昇進となる制度とがある。

この他にも、機関によっては競争なしでノミネートできる特別ポストがあったり、一時的に特殊な責任を課され特別手当をもらえる機会があったりもする。国連だとスペシャルミッション等も対象となるだろう。

上記したように、昇進は素晴らしい仕事をしたものが自動的に与えられるものではない。国際機関での昇進には戦略が不可欠で、仕事熱心のあまり昇進運動を怠るとるとかえって取り残されるくらいである。

どういう戦略をたて実践していくかは次の機会に書きたいと思う。

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