ウクライナ紛争と国連

ウクライナにロシア軍が侵攻してからすでに3週間。毎日悲惨なニュースが通報されている。国連は何をしているのか、という疑問も湧いてくるだろう。

人道面での援助では、UNHCR、 UNICEF、 OCHA、WFP、WHOなどの機関が、赤十字国際委員会を始めとする多数のNGOと共に現地で活動している。

紛争解決の目的で、アメリカを始めとした軍事大国やNATOがウクライナに加勢すれば、核戦争、第3次世界大戦に発展する恐れがある。では国連軍介入はどうだろうか。

国連平和維持ミッションを設立するには安全保障理事国15カ国のうち9カ国の賛成が必要だが、常任理事国である、中国、フランス、ロシア連邦、英国、米国のいずれかが反対すれば、否決される。

安保理が機能しない今回、国連は全加盟国を集めた「緊急特別総会を開催し、3月2日にロシア非難決議案を採択した。だが総会決議は安保理決議と違い、法的拘束力を持たない。141ヵ国の団結を示す機会とはなったが、ロシアへの直接影響力はない。

「常任理事国の絡む紛争に国連は無力」と言われるが、事務総長が紛争解決に動いたケースは過去にある。例えば62年のキューバ危機にウタント氏が米ソを仲介している。

ロシアの武力行使に対し、自国の軍事力だけで領土を守れない国や旧東欧諸国の危機感は高まる一方だ。国連やマルチの国際共同体の紛争解決能力に期待したい。

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