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応募書類書き方講座

上記の講座を9月21日に外務省が東京で開催し、そのレクを担当した。四度目の今講義では参加者が多数で意識が高く、質問も活発。外務省国際機関人事センターの活動が実を結びつつあるという印象だ。

今回も履歴書内のREFERENCES に関する質問が目立ち興味深い。機関によってはREFERENCESを履歴書に書く必要はないが、まだ大多数のフォーマットでは要求されている。

誰を身元照会先として書くかに頭を悩ませる人は比較的多い。大学時代の教授と会社の上司両方を必ず入れるべきか、社会的地位の高い人ほど効果的かなどが主な質問の内容。

現在の自分の働き振りを知っていて、肯定的なフィードバックをしてくれる人であれば良い、が答え。身元照会先には採用がほぼ決まった段階で連絡が行くので、よっぽど否定的なコメントをしない限り、結果にそれほど影響はない。

気をつけて欲しいのは参照人が、自分の仕事を知っており、高く評価してくれる人であること。会社のトップやゼミの教授などがこの条件に当てはまるか確認しよう。ある程度英語ができないと質問に対応できないという点もある。

最初に了解を得てから名前をあげるのはもちろんだが、メールや電話の更新も忘れないようにしたいもの。現役時代国連でREFERENCEをチェックした際、シニアの候補者のためか、照会人が他界していたり、会社が倒産したりしてコンタクトできないケースがあった。

履歴書に照会者のタイトルを入れる場合Former Secretary-General とPrevious Secretary-General を区別すべきか。Former でもprevious でもほぼ違わないというのが一般説。文法上はinterchangeable  ということになっている。強いて区別したければformer は元 (昔)、previous は前 (最近)のSecretary-Generalとなる。

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キャリア支援サービスの説明

キャリア国際機関では、様々なキャリア開発支援サービスを提供している。最近問い合わせの多いサービスについてQ and Aの形で説明した。

Q1.キャリアアドバイス一回(2000円)と6ヶ月間(6000円)とはどう違うのですか。

A1. 本人の履歴書、これまでの応募歴、個別の事情やキャリアゴールを分析し、今後のキャリア対策、適した分野、国際機関への助言をするのが一回限定サービス。対策に従ってキャリア戦略やプランを具体的に作成し、実行していくお手伝いをするのが6ヶ月プランです。プロフィール分析をして、プランを立て実行して行くのは時間がかかるので、6ヶ月や一年のスパンで考えるのが実践的でしょう。また6ヶ月プランだとメールやスカイプで本人が納得いくまで何度でも相談できるのが特徴。あくまでキャリア開発は本人主体なので、自分で開発しキャリア国際機関がその支援をする、という展開です。

Q2. 履歴書とカバーレターを添削していただきたいのですが、締め切りが迫っています。

A2. 普通3日営業日でお返しできますが、それでは間に合わない場合24時間仕上げサービスもご利用できます。ただし料金は50パーセント増しで、例えば履歴書は10000円が15000円。カバーレターは8000円が12000円となります。履歴書、カバーレター、空席広告を、メールに添付してお送り下さい。添削サービスは混み合う時期があり、その場合かかる時間のめどは予めお知らせします。

Q3. 履歴書のどこをなぜ修正したのかチェックしたいのですが。

A3. お申し込みの際に訂正マーク付きとご指定ください。添削箇所がはっきりわかります。一般的にどういう箇所を修正したかはお返しの際に説明しますが、個別の箇所修正の説明はご質問ください。

Q4. 筆記テスト対策にはどういうサービスがありますか。

A4. 筆記試験で気をつけるポイントを書いたガイド、及びどういうトピックを知っておいたほうがいいかの助言をするもので、2000円です。6ヶ月や一年のキャリアアドバイスサービスご利用の方には無料で提供しています。またJPO準備で、筆記の添削指導をする場合2テーマで10000円(ガイド付き)です。1テーマを二度添削指導する場合も10000円となります。

Q5. 模擬面接はどういう流れで行われますか。

A5. こちらジュネーブ在住のため時差を考慮しながら、まずスカイプ実施の日時を決定。空席広告  履歴書は前もってお送りください。こちらから面接ガイドをお送りするほか、模擬面接用質問を本番より少し多めに準備します。実施当日は模擬面接を本番と同じ順番で行った後、気がついた点をフィードバックし質問にもお答えします。だいたい二時間を予定してください。普通は英語のみですが、ご希望によってフランス語も可能です。

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日本での講演

いつもはスイスジュネーブより情報発信しているが、今般日本滞在中に東京で講演をする機会に恵まれた。

NPO国際人材創出支援センターICBは、国際的なルールメイキングの意思決定過程に参加し、活躍する人や活躍していきたい人を育成・支援する機関。グローバルな志を持つ人に勇気と力と豊かな教養を届けるという主旨のもと様々な活動をしている。

“国際公務員というキャリア”と題するこの講演では、国際機関の仕事が挑戦する価値のある魅力的なものであることを伝える。国際社会の公益のために、グローバルな視野を持って中立的な立場で働く国際機関職員。環境や職種は様々だが多様性、可動性、変化に富んだ職場であり、刺激的でやり甲斐のある仕事と言える。

いろいろな国際機関の人材開発、管理を30年近く担当した経験をもとに国際公務員のキャリアについて話す。人事担当者ならではの、ユニークな観点から見たキャリア構築について述べたい。委細は以下のとうり。問い合わせは上記サイトより。

9月18日(火)19:00~20:45
【場所】東京都千代田区神田錦町3-21
千代田プラットフォームスクウェア(http://yamori.jp/access)
【参加費】ICB会員1000円、非会員2000円。学生無料

もう一つのイベントは今回で4度目になる外務省国際機関人事センター主催の“国際機関への応募書類書き方講座”。国際機関へ提出する履歴書とカバーレターの書き方について説明する。制限人数に達したので申し込みは締め切られたが、当日キャンセルも多いので問い合わせる価値はあるだろう。毎回講義後は各個人のキャリアに関する質問が多く、全部に応じきれないのが残念なところ。

キャリア相談はサイトの方に直接問い合わせていただきたい。サービスに関しての情報は無料。キャリア相談一回2000円、六ヶ月6000円で提供している。

9月21日(金)18:30~20:00
■場所:東京都中央区丸の内1-7-12 サピアタワー10F
関西学院大学・東京丸の内キャンパス

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空席広告の読み込み

国際機関に何度応募しても筆記試験や面接まで行き着けない、という経験はないだろうか。その場合もう一度空席広告を念入りに読み、自分のプロフィールと空席のマッチを確かめたい。空席広告を読み込むことは応募成功に向けての重要な第一歩だ。

採用担当時代、空席広告を読んだとは思えない応募の多さに驚いたもの。教育、経験年数、言語 Education, Work Experience, Languagesという3基本要素さえ満たしていない書類が大半だった。

国連の書類選考ではWork Experienceに記してある資格や特殊な経験が問われる。またdesirable,  advantage,  asset, などと書かれた部分も対象となる。特に外部からの応募者は、これらの条件もクリアしていないと次の採用プロセスまで進むのは難しい。

職務の記述は丁寧に読み、内容、責任の範囲やレベルをしっかり把握。自分の経験と職務内容が重なっている部分は、応募書類で強調する。

空席広告の職種、部署、グレード、勤務地、契約、応募対象者等にも注目。ポストによっては内部職員のみ、ロスター登録者用などの応募者限定がある。また短期契約の場合、更新の可能性が示されているもの以外は、その期間限りと理解していい。

勤務地も大切な要素だ。例えば地域事務所がフランス語圏にあると、言語の知識なしで応募しても競争力は弱いだろう。安全性が低く扶養家族が現地で生活することを認められていないnon family duty stationも空席には明示してある。

このように空席広告には様々な情報が含まれている。自己のプロフィールとキャリアプランに合致したポストか、充分読み込み理解してから応募したいものだ。

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国際機関応募 Q and A

キャリアカウンセリングをしていると様々な質問が寄せられる。その中で国際機関応募に参考になりそうなものをピックアップしてみた。

Q1. 国連の正規専門職にはどんな種類がありますか。

A1. 例えばジュニアレベルだと、国際採用のP-1 、P-2と国に特化したNO-A 、NO-Bの2種類があります。NO- AやB は National Officer と呼ばれ、その機関がある国の国籍保持者だけが応募可能です。

Q2. 学士だけでP-2に応募できますか。

A2. 普通は修士プラス最低2年の専門分野での経験が要求されますが、学士プラス4年で受け入れる場合もあります。外部からの応募者は、修士号が無いと競争力は低いでしょう。

Q3. P-1 からP-3のポストは競争が激しいと言われるのは何故ですか。

A3. P-1はポスト数が極端に少ないです。大多数の候補者は経験が2年ありP-2の応募に集中するため競争率が高くなります。また大抵の機関ではすでにロスター登録されて即採用できる応募者がおり、優先されます。特にP-3ですと内部職員や上部に挙げたNO-staff (National Officer)との競争も激しくなります。

Q4. 応募条件の中に “a doctoral qualification in biology, ecology …”とありますが、持っていない場合、“博士号”に見合う実務キャリア、ということで担保することはできますか。

A4. 国際機関で博士号を要求するポストは少ないですが、わざわざ書いてある場合はその学歴が重要な職ということです。応募要項に博士号またはそれに見合う経験( doctoral qualification or equivalent experience) と書いてない限り、外部からの応募者が博士号なしで選考通過することは難しいでしょう。

Q5. 同時に異なる機関、役職に応募は可能ですか。またそれによって不利になることはないですか。

A5. 国際機関の 複数の空席に応募する人は多く、それで不利になることはありません。

Q6. 応募中の案件の結果が出るまで、次の応募を保留すべきでしょうか。

A6. 結果が出るのは時間がかかる上、通知されない場合もあるので、新規に応募 する前に結果を待つ必要はありません。

Q7. 国際機関の空席は年中募集していると言われていますが、やはりメインは9月から10月が募集時期なのでしょうか。

A7. 締め切り明けがクリスマス、年末年始または夏休みにかかると、選考関係者が揃わなくなるため、採用プロセスが遅れます。これらの時期には空席公募数が減る傾向にあるようです。一方特に公募が急にふえる時期は決まっていません。空席や新しいポストが出た時、緊急補助が必要な事態、新企画や内部改革があった場合など状況によります。機関によっては空席リストをある時期に集中して発行するところもあります。

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スカイプ面接

最近スカイプによる模擬面接の指導が多い。面接テクニックのガイドは別途提供しているが、面接以前にも注意したい点はある。以下はよく目につく基本中の基本。

まずスカイプ名。遊び心のあるユーザー名が多く微笑ましいが、国際機関の面接には向かない。面接通知が来てから慌てて作らなくてもいいように、一般的な名前のアカウントを確保しておこう。前もってスカイプ名を交換しておけばお互い時間のロスも防げるというもの。

スカイプ使用の用意は万端にすべき。いざ通信を始めてから画像が出なかったり、声が聞こえなかったりするのは準備不足だ。特に映像テストは念入りにし、背景に雑多なものが写らないようにしておく。

スカイプ中に人が後ろを横切ったり、隣の雑音が入ったりするのも避けたい。とりわけ自宅でのスカイプ利用は環境に気を使い、電源もチェック。なるだけ本番に近い環境で練習した方が効果は高いので、模擬面接でもドレスコードに気をつけよう。

書類を参照できるところはスカイプ面接の利点と言えるが、下を向きまさに読んでいますという調子の答えは不利。覚え書きを相手から見えない目の高さに貼っておけば、自然な形で相談できる。

コネクションや設備の準備が万端であっても、本番中不意に予期しなかった問題が生じることがある。必要なら電話やメールですぐ連絡できるようにしておき、落ち着いて対処する。

スカイプの面接は慣れるまで結構違和感があるので、家族や友達に頼みスカイプ面接をリハーサルしておけば効果的。キャリア国際機関のスカイプによる模擬面接サービスも利用できる。

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競争に勝ち残れるプロフィール

国際機関の空席に応募するものは多く、候補者のレベルも高い。競争に打ち勝つにはどんなプローフィールが必要か。何度応募してもテストや面接に呼ばれない場合は、空席広告と自己のプローフィールや応募結果を記録して、冷静に分析してみる必要がある。

この分析は外部から応募する時だけでなく、JPOから正式職員になる際にも使える。今までの応募の歴史とその結果を表にしてみれば、職種ごと、機関ごと、グレードごとに評価の傾向が見えてくるかもしれない。

まずチェックすべきは、空席広告の条件にすべて合致していたか。これらの必要条件はasset, advantge, desirableと書いてある事項や言語の要求も含む。内部職員やロスター登録者の増加で競争が激しい現在、100パーセント満たしてない書類はほぼチャンスがない。

要求された学歴、経験、資格などを全部クリアしても次の採用プロセスに進めない場合、他の応募者に条件合致プラス何らかの付加価値があったという解釈になる。国際機関で歓迎されるプラスアルファとは何か。

一つはフィールドの経験。特に緊急事態地域での仕事は評価され、国連採用者の約半数は緊急事態状況での勤務経験があるそうだ。また、可動性のある 経歴で、空席の活動区域、地方、国などで働いていると強い。管理職であれば、大手の機関の地域事務所でリーダーとしての経験があると優利。

国際機関の業務語は英語とフランス語だが、その他の公用語( アラブ、スペイン、ロシア、中国語)の一つでもできれば有利。特に開発系ではアラブ語や、公用語ではないが、ポルトガル語ができると重宝される。

仕事関連分野で博士号を持っていれば差がつくOECDのようなリサーチ、政策分析中心の機関だと、YPP(若者向け採用プログラム )選抜者の半数がPhD保持者との旨。

これらが国際機関で重宝されるプロフィール。応募結果分析で足りない部分が見つかったら、次回から対象の空席を変えるか、不足分を補うかし、戦略を変えて行くことだ。充分に対抗できるプロフィールであれば、応募書類でアピールし、次の採用プロセスに進める可能性をあげていきたいものだ。

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ワールドカップと国際機関

ワールドカップ(W杯)で毎日沸き立つ国際都市ジュネーブ。日本でもジャパンチームの驚くべき快進撃が注目されている。ワールドカップのような世界規模のイベントから、文化の多様性が感じられて興味深い。

サッカー大会の最高峰であるこの世界選手権は、世界最大のスポーツイベント。全世会のテレビ視聴者数や経済効果は、オリンピックをしのぐとまで言われている。

途上国が活躍できる国際舞台でもあり、特にアフリカ、南米の出場国には大陸単位でサポーターが付く。例えばベネズエラ人はコロンビアを応援し、マリ出身者はセネガルやエジプトに注目する、といった具合。同じ言語圏の国への応援は特に熱気が増す。

国際機関でも感じていたが、国を超えての協力や意思疎通の際、同じ言語圏出身同士だとすぐ距離が縮まる。近所の国で無いにしても、文化が同類ということなのか親近感が増すようだ。その意味で、英語ではなく、相手国の公用語を話すと受け入れられやすい。

経済協力や紛争仲裁で現地に派遣される国際機関職員が、その国の言葉を話すと仕事がやり易くなるのは事実。現役時代にはアフリカフランス語圏で、フランス語で研修をすると歓迎されたものだ。

ワールドカップ中は町中に様々な国旗が翻るジュネーブ。国際機関でも見逃せない試合をこっそりとオフィスから抜け出し、チェックする、という光景がよく見られたもの。また国連各国代表部でもその間は応援に熱が入り、話題に事欠かない。いろいろ批判も多いが、ワールドカップは世界を繋ぐスポーツの祭典であると言えるだろう。

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面接に役立ちそうなテクニック

テレビで面白い特集をしていた。どうやってWINNERになるかというハウツー物。この手の話題はアメリカ系が多い。職場や私生活での成功につながるテクニックを広範囲に紹介していたが、国際機関の面接に使えそうなものもあった。

まずガッツポーズ。スポーツ選手などが、両手の握りこぶしを胸の前、あるいは頭上高く挙げて勝利を表す姿勢をとる。鏡に写った姿を脳裏に焼つけ、そのポーズの感覚を覚えれば、勝利の喜びを感じられ、自信が湧いてくるというもの。何も失うものはないのでダメ元でやってみていいだろう。面接前の緊張がほぐれれば価値ありだ。

Because はyou, free, instantly, newなどと並んで、コピーライティングのパワーワード。幼児の頃から理由を明確するために使ってきているので、誰の脳にもしっかりと刻み込まれ、印象に残りやすいらしい。社会心理学者チャルデイーニのテスト結果でも何かを頼む時にBecauseという理由を入れると、依頼が受け入れやすくなるという。面接の始めに聞かれるWhy are you interested in this position ?といった質問にBecauseを使って理由を述べるといいだろう。もちろん理由に説得力があることがポイント。

相手の名前を頻繁に呼ぶと、近親感が増すとよく言われる。最初から面接官の名前を聞いておき、挨拶や質問に答えるときに使えば、ラポール作りができ、面接もやり易くなるかもしれない。だがこれを実行するのは案外難しい。まず前もって面接官の名前を教えてくれるかどうか不明。緊張している面接開始時に、色々な国の複雑な面接官の名前を直ちに覚え活用するのは至難のわざだろう。面接官の呼び方を誤り逆効果というリスクもある。

韻を踏んだボキャブラリー、例えばdog/log, fat/batを使いコミュニケーションを効果的にするテクニックも有った。面接の答えに応用すると、なるほどリズムや響きの良さから印象が強くなるかもしれない。しかし、面接でごろ合わせをした勇者にはまだお目にかかっていない。

以上面接ガイドには普通ない面白いテクニックが様々で、興味深かった。これらを実行し、効果のあった方はキャリア国際機関までお知らせ願いたい。

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イギリス英語とアメリカ英語

英語のイギリス版とアメリカ版は発音や語彙、文法などに違いがあるが、スペルにも当てはまる。国際機関への応募書類を作成する際、疑問が沸いたことはないだろうか。

アメリカ英語のスペルは、なるべく発音に沿って、簡単に書けるようにできているのに対し、イギリス英語はラテン語やフランス語、ギリシャ語等の語源のスペルに忠実な点が根本的な違い。それぞれのお国柄がしのべるようで興味深い。

例えば、国際機関で最も目につくorganization というスペルはアメリカだけでなくイギリスでも通用する。厳密にいえば、イギリス英語だとorganisation でもorganizationでもいいことになっている。しかし、イギリス系のサイトや出版物を見るとorganisationが圧倒的だ。

各機関ではどうかというと、自らをorganisationと書いている組織はOECD経済協力開発機構くらいではないだろうか。古くからイギリスの影響が強い組織でもある。ロンドンに本部のあるIMO国際海事機関やEBRD欧州開発銀行でさえもorganizationを使っている。

国際機関応募書類によく使用される単語で、-ize/ise 語尾のanalyse (ze), mobilise (ze) , recognise (ze), realise (ze) はize 版がアメリカでもイギリスでも通用する例。

以下はスペルが違う例でカッコがアメリカ式だ。

-er/re: centre, fibre, litre, theatre (center, fiber, liter, theater),

-nse/nce:defence, licence, offence, pretence (defense, license, offense)

-or/-our: behaviour, colour, humour, labour (behavior, color, humor, labor)

ae oe: manoeuvre, paediatric (maneuver, pediatric)

vowel plus –l: travelling, travelled (traveling, traveled)

応募書類のスペルにそれほど神経質になる必要はない。グローバル化と国連本部や国連人事委員会、世銀等がアメリカ在住である影響か、大部分の国際機関はアメリカ式の綴りを導入している。イギリス式スペルを空席広告の一部または全部に使用している機関は、前述のEBRD、IMO、OECD、WTO そしてなぜか国連大学 UNU等、数えるほど。

第二外国語として英語を使っている職員が大部分という、言語的にも多様性に富む国際機関。コミュニケーションの手段は簡単であったほうが効率は高いといえよう。

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