模擬面接でよく指摘するポイントに「もっとスマイルを」がある。笑顔は自信や積極性、相手への関心をイメージさせ、他者との協調性、親しみやすさも伝えるという。本人をリラックスさせる効果もあり、場の空気も和ませる。
ただし、自然で時と場面に応じた笑顔が条件。終始ニヤついたり、面接官が笑顔で楽しい話しをしているのにむっつり、真面目な話し中、満面の笑みといった反応も逆効果。国連時代、受け答えは素晴らしいのに、笑顔がなく終始無表情の候補者がいて、将来一緒に働きたくない、という感想が出たことがある。
ではいつスマイルを使うか。まず、面接官と会った時に笑顔で元気よく自分をアピールし、第一印象を強める。自分が熱意を持っているテーマについて話す際、無意識に出てくるような笑顔も効果的。また面接官が笑顔で話せば、ミラー効果でこちらにもスマイルが伝わってくるもの。そして面接の最後もニコッとして挨拶し好印象のまま終わらせたい。
スマイルは電話やスカイプ面接にも有効。特に電話では双方の顔が見えなくても、笑顔が口調や声に反映され面接官に効果的に伝わる。
不自然な笑顔は面接には逆効果。人間の脳には、顔の筋肉の動かし方の違う擬似スマイルを見分ける能力があるそうだから、返って警戒されてしまう。しかし緊張している面接中にどうやって自然な笑顔が作れるのか。
面接前、自分で鏡を見て笑顔のトレーニングをしてみよう。口角をあげ、目尻を下げる、という2点を意識すると、表情筋が和らぎ自然な笑顔が出しやすい。スマイルが面接テクニックの全てではないが、その効果は大きいので練習する価値はあるだろう。