応募書類とAI

前回も触れたが、履歴書やカバーレター作成にAIを利用する応募者が増えた。応募書類準備に費やす労力や時間を減らせ、ある程度のレベルの書類ができるところが魅力。

だがAIも万能ではない。日本語の職歴やタイトルを入力して英訳させると、文法的には正しいのだが業務内容のよくわからない文がでてくる。日本語と英語の職務記述には文化的な違いがあるので、ただ翻訳しただけでは不十分。採用者が職務内容をすぐ把握できるよう、英文を調整する必要がある。

AIといえど、英文法がまちがっていることもあるので気をつけよう。ただし自分で書くよりはまし、と割り切ってしまう手もある。

またAIには独特のまだるっこしい不自然な言い回しがよくあるので、自然で簡潔な英語になるよう修正する。

以上を鑑みると、AIによる自動生成はあくまで下書きと認識し、最終チェックは人がする、という形が理想的だろう。

AI使用の応募書類作成で気になる点は、実際の英語力は上がらない、というところ。むしろ自動的に作成することで、能力が落ちていく可能性もある。

応募書類は完璧でもテストや面接、そして採用後の勤務で英語ライティングの実力が問われた時が心配だ。今後国際機関で活躍していきたかったら、どこかの時点で英語を書く練習をしておくべき。

AIが作成した書類のおかげでスクリーンされる可能性は、以前の応募書類より高くなるかも。ただし、応募者全員がAIを利用し書類の質が均一化すれば、より差別化を図るための工夫が求められるだろう。

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