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2020年JPO 試験

JPO 試験募集要項が外務省から発表された。昨年と違う点があるので気をつけたい。

まず事前登録はすでに1月8日から可能。応募期間は2月1日から22日まで。年齢制限は今年2月1日現在で35歳まで、経験年数と学歴は7月末までを考慮。最終着任時期は2021年1月31日だ。応募期間の短縮が今回の主な特徴だろう。

外務省枠応募では、希望外の機関の方が適当と判断された場合も含め、行き先は最終的に外務省が決定する。OECD, UNDP, WFP, OPCWの応募者以外は、希望はあくまでも希望と割り切り書類作成を遅らせないようにしたいもの。第一次書類選考を通過するのは、希望機関に関係なく総合得点上位120名となる。

この他の変化として、応募はメールのみとなっている。履歴書のサインを忘れないこと、語学証明書以外の添付は不要なこと、受付通知がこない場合は問い合わせることなどにも留意。

キャリア国際機関でも応募書類添削、筆記テスト、面接準備の支援をしている。例年締め切り間際に添削サービス希望が集中し、対応できない場合がある。今年は応募期間が短いので、早めに書類を用意し余裕を持って応募に備えてほしい。

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年末年始のご挨拶

Image par nickgesell de Pixabay

本年はいろいろとお世話になり、大変ありがとうございました。来年も引き続きご指導くださいますよう、なにとぞよろしくお願いいたします。 世界情勢が目まぐるしく変化する中、皆様のご健康と御活躍をお祈り申し上げます。どうぞ良いお年をお迎え下さい。

今年も残りわずか。前記事に書いたように、冬休みをキャリアプラン構築や就職活動準備に充てた者も多いと思う。

2019年の成果分析後、キャリアプランやゴールの調整、戦略立て直し、トレーニングや資格獲得等の再確認はできたろうか。面接やテストを経験した場合は次機に備え質問や答えの分析、改善点などをまとめてみる。

来年の就職活動カレンダーにも注目。各機関の個別空席締切日やイベント、インターンシップやYPP等への応募期間、外務省JPO試験や内閣府の国際平和協力研究員制度時期、在外公館調査員、派遣員等の試験期間など重要な日付けは前もって確認しておこう。

グローバル人材育成を支援していくサイト、キャリア国際機関を利用し、2020年新しいキャリアのスタートを切ってほしい。

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年末年始休暇

忘年会・新年会などパーティ浸り、長期旅行や里帰り、または寝正月など、年末年始休暇の過ごし方は人それぞれ。国際機関就職を目指す人にとっては、キャリア開発のいい機会だ。

まず長期休暇のリラックスした状態で自己分析。将来どうしたいのか自分の希望を見つめ直し、キャリアプランの土台にする。経歴、得意分野、弱点、最終目標、価値観、こだわり、ライフスタイルや動機、興味、性格を解明しよう。リソースセンターにあるキャリアアンカー等の自己分析ツールも利用できる。

『自分の内面』に目を向けた後は、『周囲の環境』を考える。希望する機関の活動や、職種についてリサーチ。例えば対象機関のサイズ、長期展望や戦略、希望職種空席の数と頻度、勤務地、採用方法等。自己を取り巻くキャリア開発の機会やハードルも考慮してみる。

得意分野の職種を提供する機関は他にあるかも調査し、改めて応募可能な機関と職種、グレード、勤務地のリストを作り、キャリアプランに活用。条件に合う空席を見逃さないようにjob-alerts をかけておく。

目標とタイミングを定めたら、新年に向けてプロフィールを充実させ競争力をあげよう。自己分析と過去の応募結果から、新たな経験、資格やトレーニングの必要を感じたらキャリアプランに組み込む。

基本応募書類も休み中にアップデート。経験したポジション、役割、仕事内容、業績などを見直し、履歴書をまとめる。基本書類ができたら応募対象ポスト毎に少しずつ調整。空席広告の職務内容や雇用条件にリピートされるキーワードに注目し、どの部分を強調したらアピール力が増すか研究する。

休暇はキャリア開発を支援してくれそうな同僚、先輩、恩師や上司訪問の機会でもある。挨拶中キャリア展望を聞かれたら手短に説明できるよう準備しておこう。年末年始の挨拶はメールであっても重要なもの。文章を吟味し、その年の締めくくりと新年のお付き合いを円滑にする。

年末年始のまとまった休暇中上手に時間を使い、キャリアアップに繋げよう。キャリア国際機関の支援も活用し2020年に向け一歩先にスタートを切りたい。

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国際機関での昇進

ジュネーブ国際機関職員会の要請で、「管理職へのキャリア構築」というワークショップを開いたことがある。昇進は契約の安定性と共にキャリアの重要ポイント。

経済面以外の昇進のメリットは何か。まず、自分の実力が認められたという充実感と職務への意欲の向上。仕事の量と難易度は上がり、決断権が増す。資源やプログラム管理を通じて機関への貢献度もアップ。

また幹部職員として情報アクセスが早くなり、業務執行や自己サバイバルに有利。新しい人脈も開発でき、部下の管理育成や、機関内のマネジメントへの影響力も高まる。

空席公募という競争形式で昇進や契約が決まる国際機関では、経営陣や人事部一存で職員を昇進させることは不可能。自分でキャリアを開発していく必要がある。国際公務員は昇進を意識しすぎと言われるのはこのためだろう。

国際機関での昇進には以下のケースがある。

自分のポストよりグレードの高いポスト(機関内,外)に応募し、採用される場合。機関内であれば、すぐ下のグレードを最低何年経験すべき等の条件があるが、他の機関に行けばその制限はない。

自分のポストのグレードをjob classificationにより上げてもらい、ポストと供に昇進する例。ポストのアップグレードに伴いほぼ自動的に昇進となる機関と、自身のポストでも公募対象になり昇進は採用後という機関がある。

この他にも、機関によっては競争なしでノミネートできる特別ポストを設けたり、一時的に特殊な責任を課され特別手当の対象となる機会があったりする。国連だとスペシャルミッション等も考えられよう。

国際機関では、有能な職員の仕事処理能力や努力を買い自動的に昇進を与えることはない。昇進には戦略が不可欠なので、仕事だけではなく自己のキャリア構築にも気を配っていきたいものだ。

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キャリアアンカー

キャリア構築によく使われる自己分析ツール、キャリアアンカー。キャリアという長い航海中、自分の船を支えるのはどんなアンカー(錨)だろう。

キャリアについて考える時、「何がしたいか、したくないか」「何が得意か」というWhatを分析する仕方と、「どんな風に働きたいか」「どんな生活を送りたいか」というHowを問う方法がある。

キャリアアンカーは、この2つの方法のうちの「どんな(How)」についての価値観を定義したもの。キャリアの考え方が多様化・活発化してからは、WhatだけでなくHow分析も注目されるようになった。

キャリア・アンカーは、マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院名誉教授 エドガーシャインによって提唱された。キャリアの選択をする際、最も大切でどうしても犠牲にしたくない、価値観や要求、周囲が変化しても自己の内面で不動なものを指す。

シャインは主なキャリア・アンカーを以下の8タイプに分類した。

1.技術的・機能的能力
特定の仕事に対する高い才能と意欲を持ち、専門家として能力を発揮することに満足と喜びを覚えるタイプ。

2.管理能力
組織の中で責任ある役割を担うことを望み、経営者を目指すタイプでいわゆる「出世志向」がある人。

3.自律・独立
どんな仕事であれ、自分のやり方、自分のペースを守って仕事を進めることを大切と考え独立の道を選ぶ傾向のタイプ。

4.安全性
安全・確実で将来の変化をおおむね予測できる環境を優先するタイプ。

5.創造性
新しい製品、サービスを開発したり、資金を調達して組織を立ち上げたりと、新しいことを生み出す創造性の発揮を重視する人。

6.奉仕・社会貢献
何らかの形で社会を良くしたり、他人に奉仕したりすることを望むタイプ。

7.純粋な挑戦
不可能と思えるような障害を乗り越えることや、解決困難と思われてきた問題に挑戦することを求めるタイプ。

8.ワーク・ライフバランス
仕事と家庭生活、公的な仕事の時間と私的な個人の時間のどちらも大切にしたいと願い、両者の適切なバランスを考える者。

何年か前OECDの女性管理職職員を対象にこの分析を行った。一番多かったのが管理能力重視のタイプ。次点は、研究関係の職種が多いOECDを反映し技術的・機能的アンカー。国連機関に多い奉仕・社会貢献とワーク・ライフバランスもほぼ同じ割合を占めた。

ワーク・ライフと管理能力は男女間で志向の差が大きいと言われていたが、近年差が縮小され女性の出世志向と男性の私生活重視が増えているのが興味深い。

キャリアアンカーは人生の節々で変化するものだし、同等に2つのアンカーが大切という例もある。自己のキャリアアンカーが何であるかは自分の強み、弱み、動機や人生の目標、そして価値観等を分析してみればおおよそ見当がつく。

このサイトのリソースセンターにある質問票を使い、どの錨をキャリアの軸とするのか自己分析してみてもいいだろう。

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筆記試験

「筆記試験に呼ばれましたが、どんな準備をすべきですか」とよく聞かれる。採用プロセスに筆記試験をとり入れている国際機関は多い。通常書類考査を通過した人対象で、結果が良ければ最終選考者リスト(ショートリスト)まで残り面接となる。

大規模な採用キャンペーン(国連翻訳官採用試験、ヤングプロフェッショナル試験、ロスター登録用試験など)以外の特定ポストの場合、筆記試験に呼ばれることは、書類選考を突破した数少ない候補者であることを意味する。

書類選考後、さらに応募者を絞り込むのが筆記試験の主旨。機関によっては面接候補者だけが筆記試験対象となり、筆記と面接両方の結果で最終判断となる。面接時に筆記試験の他、プレゼンや他のテストをさせる場合もある。

選抜手段は筆記試験に限らず、録画面接やオンラインテストも可能。だがメールを使って手軽に企画でき、募集ポストの上司が自分で採点、判断できる筆記の利用度は高い。専門知識に関するテーマを2、3問出題し2時間程度でエッセイ形式の答えを書かせるケースが多い。

採点基準において専門知識の高さは当然だが、表現形式にもハイレベルが要求される。言いたいことが文法やタイプミスなしの理解しやすいスタイルで、簡潔かつ明確に表されており、論点の構造と発展に筋が通っていることがポイント。内容面では、まず質問に答えているか、そして専門性と自分の考えを持っているかなどがチェックされる。

筆記能力は急に上がらないので、普段から英作文の練習をしておくのが理想的。空席広告やサイトから課題になりそうなトピックを予想し、関連情報を整理、箇条書きにして準備。短い試験時間中に情報サーチ等に時間を取られないようにする。慣れていれば起承転結の節目で使う常套句をいくつか用意し、前もって論理の構造を作っておくという手もある。

どの機関が筆記試験を実施するかは、外務省人事センターサイトを参照。キャリア国際機関でもアドバイスを提供している。

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インターン

国際機関で1ケ月から6ケ月間程の見習いをするインターン制度は、直接就職に結びつくわけではないがいろいろな面で大変有益。

まず国際機関という職場に直にふれ、実状や雰囲気を実感できるし、自分に合っているか本当にやりたいことなのか等の判断に役立つ。また自分の特性を覚えてもらい、ネットワークを広げれば将来の就職活動にも繋がる。

国際機関応募の際も経験があると有利に働く。某国際機関は新しく設置されたこともあり、創設後しばらくはインターンをそのまま正規職員に採用していた程。ただし自分の専攻の延長線上にある国際機関、NGOでの経験に限られる。日本政府のJPO応募者選考の際、インターン経験は職歴年数には加算されないが、国際度の採点の加点対称。

このように有意義な制度ではあるが原則的に無給であり、生活費と旅費が日本人には負担。国内で在学中の場合次の可能性も考慮してみるといいだろう。

日本在住の国際機関やNGO等でインターン

生活費の安い地域事務所やカントリーオフィスでインターン

CTBTO, WB, IAEA, IFAD, IMF, ILO, IOM, UNICEF, OECD, のような手当の支給される機関に応募

所属する大学から財政補助の可能性を確認

今年度は締め切ったが、日本ユニセフ協会の海外インターンのユニセフ現地事務所派遣事業募集に応募すると派遣費が支給される

文部科学省「トビタテ!留学JAPAN」で海外国際機関インターンを行う際の奨学金可能性をチェック

AIESEC海外インターンシップに応募

外務省人事センターのサイトにまとめられているように、国際機関のインターン制度は修士課程の学生が対象であったが、近年ではIAEA, CTBTO, ICC, IFAD, IOM, OECD, UN, UNDP, UNESCO, UNICEF, UNIDO, UNMAS, UNWOMEN, WFP, WHO, UNHCR等、学部生を受け入れる機関が目立つ。ただしの学部最終年度である条件が多いので気をつけたい。

応募条件の多様性に加え、応募やインターン期間が設定されているところや、ロスターが用いられている機関など制度が様々なので、それぞれのサイトから正確な情報を得たうえで早めに準備。また国連フオーラムでインターン特集が組まれているので、参考にするといいだろう。

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キャリアアドバイス

カウンセリングやアドバイスは、キャリア国際機関の提供しているサービスで利用者は多い。国際機関向けの個別キャリア支援がなぜ必要なのか。

キャリアプラン作成の第一歩は自己分析。強みや弱み、目標だけでなく、キャリアや仕事に対する自身の価値観も認識したい。次に目指す国際機関、自分の現状といった環境を分析。本人の強みや市場価値を解明し、国際機関という特殊な職場にそれをどのように活用するかを見つけ出すサポートは有効だろう。

分析データを基に、各自が納得できるキャリアパスやキャリアプランを構築していく。作成時、国際機関の人事制度に精通しているコーチからの助言は貴重。

プラン作成後、目標に沿って自分の希望するポストへ応募開始。本人の経歴や資質、目標にマッチした職種、機関そしてグレードの空席を効果的に見つけ出すにも、国際機関という特殊な労働市場に精通したコーチが役立つ。

応募や採用プロセスの途中、各機関の構造や特殊な人事事情、規則などを説明し、アドバイスしてくれるプロがいると心強い。選抜課程を得て採用にこぎつけるまでには履歴書やカバーレターの添削や指導、面接対策用ガイドや模擬面接、筆記試験へのサポートが有効。採用が本決まりになる前にステップや給料の委細、契約の種類等をコーチに確認することも可。

すでに就職している職員、とりわけ入って間もない職員やJPOにとってキャリアコーチの必要性は高い。同僚には話しにくい職場の悩みや、キャリアの将来性もキャリアコーチがいれば相談できるというもの。

国際機関の人事部や上司だけではカバーできない、個別に対応した自己ブランデイングやネットワーク作り、自己投資等への助言も提供中。JPOにとっては、任務後正式職員になる道筋を作るため、個々のケースに応じた支援が重要だろう。キャリアアップは意識しているが、日々の仕事に追われて思うように空席広告をチェックできない職員にはプロフィールに応じて空席情報やアドバイスを提供する。

キャリア国際機関が提供している様々なキャリアサポートサービスは、このサイトのリソースセンターに記述してあるので利用してほしい。

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応募書類作成の前に

外務省と関西学院大学共同主催で行われた応募書類書き方講座は、9月3日に約100名の参加者を迎え終了。毎回リピートしている、基礎重要点の一つを、今年も最初にアピールした。応募前に空席を読み込み、本当に自身のプロフィールに合致したものだけに応募する、というもの。

このアドバイスは採用担当官だった時代の経験に基づく。教育、経験年数、言語 (Education, Work Experience, Languages)という3基本要素さえ満たしていない応募書類が大多数だったからだ。

国連の最初のスクリーニングではWork Experienceに記してある資格や特殊な経験の有無が考慮される。またdesirable, advantage, asset, などと書かれた部分も選考の対象。特に外部からの応募者は、これらの条件もクリアしていないと次の採用プロセスまで進むのは難しい。

Work ExperienceやCompetenciesのProfessionalismのところに記してある条件が細かく、具体的である場合は特に要注意。条件が具体的である程、候補者の目処がある程度あり、それを意識して空席広告を作成している可能性があるからだ。

前もって有力候補がいなくても、重要度の高いポストなので応募者の数を抑え、条件をクリアした少数の候補をじっくり比べたい場合とも考えられる。とにかく全ての条件に合致しているかを念入りに確かめてから応募を決めよう。

インターネットのおかげで空席への応募書類は増える一方。各書類にかけるスクリーニング時間は結果的に減る傾向にある。基本条件を満たしてない応募書類は、時間やエネルギーのロスに終わる。

表示されている最低限の資格と、あると有利と記された条件に 全て合っている場合のみが最終選考対象となる。応募自体を吟味し採用プロセスに残っていけるような書類を作成したいものだ。応募書類書き方講座のハイライトはここを参照。

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お知らせ

国際機関応募書類書き方講座(9月3日)への御参加ありがとうございました。

セミナーの際にお話しした要点のパワーポイント資料を9月10日以降リソースセンターにアップロードしますのでご利用ください。

また完全な資料(2000円)をご希望の方は、こちらからお申し込みください。ゆうちょ銀行口座またはペイパルお支払後メールでお送りします。

キャリア国際機関サービスの委細はここをクリックしてご参照ください。Facebooktwitterlinkedininstagramflickrfoursquaremail