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形容詞の順番

Cumulative Adjectives: Definition, Order & Examples - Video & Lesson  Transcript | Study.com

名詞の前に形容詞をいくつかつなげる時,どんな順番にするか迷うことはないだろうか。国際機関応募書類の添削でも形容詞の順を修正することがある。

コンマやand,or,butによって区切られている等位形容詞(Coordinate adjectives)では各形容詞が独立して名詞を修飾するので並べ方に法則はない。

例  Black and dirty spots.

例  Dirty, black spots.

しかし下の例のように、連続して名詞を修飾する形容詞は累積形容詞群(Cumulative adjectives)と呼ばれ並び順は定まっている。

例 This handsome tall young man.

これをThis young tall handsome manと並び替えると、形容詞の順序がおかしいとネイティブに指摘されるだろう。だが理由を聞いても、説明できないかもしれない。

ネイティブは発音し言葉の響きで並び方を覚えているので、順番ルールを特に意識していないからだ。ルールを記憶しているのは学校の生徒か英語を第二外国語として学ぶ者、ということになる。

洗練された英語を目指すのであれば以下の並べ方を意識しておくといいだろう。

  1. Article (冠詞、限定詞):a, my, the, this..
  2. Number (数字):one, two, three..
  3. opinion(意見):good, nice, nasty..
  4. size(大きさ):big, tall, short..
  5. age*(年齢、新旧):new, old, young..*6との入れ替え可
  6. shape*(形):square, round, oval.. *5との入れ替え可
  7. colour(色):red, white, blue..
  8. origin(出身):Japanese, Asian, Western..
  9. material(素材): plastic, metallic, paper..
  10. purpose(目的):cleaning, cooking, sleeping..

名詞の前に形容詞が4つも5つも並ぶことはなく、最大でも3つ程。国際機関への応募書類上、形容詞の順序を直す例は2つが多い。

順序を間違えても意味は通じるので致命的な間違いではないから、無理に順番を暗記する必要はない。最初の冠詞や数字のすぐ後に、opinionという主観的な形容詞が来ることを覚えておけば大抵の場合に対処できるだろう。

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米ロ首脳会談

アメリカのバイデン大統領とロシアのプーチン大統領による初めての首脳会談が、6月16日にジュネーブで行われることになった。ジュネーブにとっては久々の明るいニュースだ。

ジュネーブで両国のトップが顔を合わせるのは、1985年11月にレーガン米大統領と旧ソ連のゴルバチョフ大統領の会談以来35年ぶり。

過去数10年の米ロ首脳会談はレイキャビク、ワシントン、モスクワ、バンクーバーのほか、ヘルシンキ、リュブリャナ、ブラチスラバ、プラハで開催。イランとの核合意成立はウィーン、米北朝鮮会談は、シンガポールとジュネーブの出番はなかった。

ジュネーブ開催の背景には米ロの関係が緊張していることもある。現在米ロどちらも相手を自国に招待できない状況だろう。スイスの中立性や、米ロとの良好な外交関係も決断要素だったと思われる。

また世界で最も小さい国際都市と言われるジュネーブは、国連欧州本部をはじめ必要なインフラが完備。空港から会談の会場となる某ホテルまでは車で10分ほどと、安全管理もしやすい。

ジュネーブの100年に渡る多国間外交活動は2020年3月に大打撃を受けた。COVID-19の影響で国際機関はロックダウン、ほぼすべての国際会議がオンラインとなり、職員にもテレワークが導入された。おまけに国際性が裏目に出て、ジュネーブ州はスイスで一番COVID-19感染率が高かった。

これまでもシリア、イエメン、リビア、キプロスなどの重要な多国間交渉が国連欧州本部で行われている。今回の会談も仲介役に慣れているジュネーブならではの特性を生かし、国際外交中心地の名を確保したい。

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簡潔明瞭な英文

国際機関への応募書類、筆記試験には明確でわかりやすい英文が求められる。採用側が短時間で読め、空席との合致を評価するために簡潔さは重要だが、長く読みにくい履歴書やエッセイは多い。

無駄に長く単語配置が効果的でないと、文法的には正しくても難解。複雑な英文でないとレベルが低いという印象があるからか、特にアカデミックな英文は読みづらい。実際には、複雑なことを簡潔に書く方が難しく、高い英語力を要する。

英語母国語の人が書いた英文が読みにくい例は多く、応募書類も文法のみ直しても分かりづらいままでは不利。簡潔明瞭に自分の履歴や考えをアピールするためには、何をすべきか。

まず文全体の情報配置を構築し、書き順マップ作成。主語を短くし、主語と動詞間の距離を詰めると読み手の理解度はアップする。次に無くても良い表現はカットし、語数、回りくどさを減らす。

具体的には、動詞を吟味しlyで終わる副詞 (例completely, successfully)を削る、clichéと呼ばれる決まり文句 (例last but not least, in my humble opinion)や場つなぎ言葉、無駄な表現 (例just, that, really, several, various, certain)もなるだけカット。選べる場合は簡単な表現を優先(例utilize よりuse, in order toよりto, conducted some researchよりresearched )など。

また否定表現より肯定表現、受動態より能動態を使った方が読みやすさ度は高い。

アプリやAIも活用し、全体を書き終わったら読み返し、書き直す。一旦書いたものは少し時間を置いてから読み直せば、冷静な判断がしやすいもの。その後、第3者に見てもらえれば理想的。キャリア国際機関の添削サービスも利用してほしい。

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オンライン面接

新型コロナウイルスをきっかけに国際機関の面接がほぼ全てオンラインになった。COVID-19が終わっても、この傾向はWeb会議やテレワークとともに定着していくと思われる。

オンライン面接は場所を選ばず、それぞれが都合のよい地点から参加できる。また、時差調節はあるにしてもスケジュール調整が簡単。遠隔地にいる候補者にとっては面接会場に出かけるより楽だし、開催側ではコスト削減になる。

課題は候補者側では設備、接続関係とコミュニケーションのとりにくさ。開催側にとっては、どうやってオンラインで対面面接と同レベルの候補者評価、選考判断ができるか、という点だろう。

ともあれ今後とも、最重要ポスト以外はオンライン面接になるという予想。面接官達とリアルタイムで面接する方式と、あらかじめ用意された質問に答え自分で録画したビデオを採用側が分析する、非同時性の方式がある。

非同時性ビデオ面接はスクリーニングに使われることが多く、国際機関ではSonruが主流。その場合、スクリーニングを通過し、筆記試験を得て最後にシンクロのパネル面接となる。国際機関のパネル面接に使われるのは主にZOOM, TEAM, SKYPE。

外務省はビデオ会議ソフトの大手CiscoのWebexを使用。ZOOMのライバルであり、安全性と画質に優れ特に大企業には人気だ。JPO候補者が招待者として使用するには上記のソフトとほぼ変わりない使い心地だが、ホストとしての使用には慣れが必要。

キャリア国際機関でも、本番と同じような形式での模擬面接サービスを提供しているので利用してほしい。

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Which 対 That

国際機関への応募書類を書く際によく使われる関係代名詞。Which を使うか that にするか、迷ったことはないだろうか。

Whichthatは先行詞を定義し、欠かせない情報を提供している場合 (restrictive clause)入れ替え可能。

例 I have never read the book which/ that is on the table.

だが先行詞が「人 + 物(動物)」や「all」「anything」「everything」「little」「much」「nothing」の場合、または先行詞に、最上級の形容詞や「first」「only」「very」などが付いている時はthatしか使えない。

例 This is the best film that I’ve ever seen.

関係代名詞節が残りの英文に補足的説明しかつけない場合はwhichを使用し、特定していない関係節の間にはコンマを入れる。下の例では、コンマ以後の情報は、取り除いても全体の意味に影響はない。

例 I finished the work in record time, which was appreciated by my colleagues.

結論として、関係代名詞後の情報が文章全体に不可欠であればthat単なる追加情報であればwhich (コンマ付き)を使用、と記憶すれば便利。

ネイティブでもthatwhichかを混同する事は多い。疑いのある場合はキャリア国際機関の応募書類添削サービスも利用してほしい。

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新入社員の季節に

新型コロナの春・・・ 桜は今年もきれいに咲きました | ニュース | 福岡ふかぼりメディア ささっとー

今回は元ILO職員、野口好恵さんの原稿です。

コロナ禍で、ロックダウン状態がもう一年になる。それでも季節は巡って花は咲き、鳥はさえずる春が来た。霞が関からの派遣で初めてジュネーブに着いてから、3月末で丸40年となった。読者の多くはまだ生まれていなかったかも?

日本の感覚だと、4月1日は新年度の始まり、会社には新入社員が入ってくる季節である。新卒一括採用、長期雇用、年功序列などが、バブル期には日本的経営の成功の秘訣のように言われたことを昔話のように思い出す。変化してきたとか変えなくてはとか言われる割には、少なくとも新卒者の就職活動がほぼ一斉に行われ、それを逃すと後から追いつくのは難しいという状態は今でも続いていると見える。私の頃には均等法以前で男女別募集、情報は紙でという時代だったが、リクルートスーツに象徴される同調圧力は今ほどではなかったような気もする。

国際機関ではそのような採用の仕組みは無く、即戦略になる者を随時いわば中途採用していることは、読者はもうご存知だろう。メンバーシップ型とジョブ型雇用の違い、と言われる。競争を勝ち抜かないといけないのは、採用時だけでなく組織内での昇進でも同じ。上のグレードに空きができて、内部外部の競争相手より自分が優れていることを示せないと始まらない。霞が関では同期生がある程度のレベルまでそろって上がっていくのに、国際機関ではヒラ職員のまま終わるのだろうかと思ったこともあった。

でも見方を変えると、国際機関への入り口は人生に一度だけではなく、他で経験を積んでからでも十分可能ということである。組織に入ること自体を目指すより、自分の専門分野を持って、何らかの国際的な課題に取り組んでいくという大きな道筋の中に、国際機関で働くことも視野に入れることを勧めたい。任地についても、選択の幅が広ければ可能性が広がる。採用だけでなくその後の昇進にも主体的に動けることが魅力だと思う。

筆者がこの季節に初めて着任したのは全くの偶然。当初2年の研修目的で来たはずが、一度帰国して数年を過ごした以外、定年退職まで職業人生の大半をILO事務局本部で過ごす結果になった。まるで反面教師だが、読者のキャリア構築の参考になれば幸いである。(ILO就職の経緯や苦労についてはこちらから)

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オフィススペース

長い国際機関キャリアの間、色々な機関の様々なオフィス環境で働いた。国際機関では普通管理職は個室だが、全スタッフ個室、全スタッフ大部屋という機関もありバラエティ豊か。

古きよき時代のジュネーブには、タイピストやロジ担当以外、一般職であっても全員個室という国際機関がいくつかあった。

その一つITUでの勤務時代、某事務総局長が日本の大部屋システムを取り入れ管理職以外の個室廃止を提案。部下の仕事ぶりをもっと監視し、コミュニケーションを促進することが目的だった。この提案に職員が猛反対し結局実行はされなかったが、職員数が増えてからはある程度大部屋式が導入されている。

国連時代、ニューヨーク本部では廊下にまでオフィスがはみ出しているのに、ジュネーブではP2でも個室、とよく羨ましがられたもの。国連欧州本部にはVIP専用のトイレもあり、他のトイレより清潔とのこと。ニューヨークでは機関により雑居ビルの一部を使用しているため、トイレにも鍵を持っていくシステムである。

余裕のある個室スペースを利用して、個人で高級調度品を整えたり、毎日花を生けさせたりする職員もいるから驚く。ウオッカとおつまみをロッカーに欠かさない豪傑もいた。

極端だったのは、OECDパリ、デファンスのオフィス。部長や課長でも大部屋の一コーナー。ドアがあるのはミーテイングルームだけという徹底ぶりだ。パーテイションで区切られているものの音は筒抜けで、集中して仕事できない上、人事の機密情報もマル漏れ。暫定的とはいえ、不適切な環境であった。

オープンオフィス、個室、それぞれに長所、短所はあるが、スペースの関係から大部屋が増えるのは必須。新しく設立された国連プログラムなどはジュネーブであっても雑居ビル、雑居スペースである。しかし時代の流れから自宅勤務が増加し、オフィスがガラガラになる日が来るかもしれない。

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JPO 応募書類選考後

外務省2021年度JPO試験の応募が先月末締め切られた。書類審査通過後は第二次審査として面接とライティング課題の提出がある。今回はライティングの対策について。

まず課題の傾向。一般の空席公募と違って、JPOという共通の試験テーマなので、自分の応募している国際機関の活動や専門分野が出るとは限らない。またエッセイ(英作)だけ二問の年とエッセイと要約各一問の年がある。とにかく45分から60分でこなせる課題となろう。

昔は自分のキャリアと国際機関というテーマがよく出されたが、最近見かけない。P11とカバーレターで十分書かせてあるためか。傾向としては国際的なニユース、国際機関の活動や日本の提案、SDGに関してなど。

英語のライティングスキルは一夜にして成るものではない。だがこのサイトで提案した英作のコースをとるには時間がかかりすぎる。では第二次審査(5月から7月)までの短い時間に何をすべきか。

お勧めは、トピカルな話題について英字新聞や国際機関のプレス等を読み、要約すること。同じ材料を使い、内容を変えずに英語で自分のスタイルに書き直してみるのも有効。書き換えの方が大変な分効果は高い。

JPO筆記試験でも、要約は英作に比べ簡単なので差がつきにくい。エッセイをうまくこなせれば競争力はアップ。提出日が近づいたら、一作分300語30分程度で準備しタイミングも掴んでおく。

キャリア国際機関でも、JPO第二次審査対策として、筆記試験準備や面接の支援サービスをしているので利用してほしい。

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知りたくない過去

国際機関で人事をやっていると、仕事柄職員の経歴はどうしても目に入ってくるもの。国連採用前のキャリアがバラエティーに富んでいる職員も多く感心する。

国際機関という性質から政府の役人出身者は多く、前大臣や大使はザラ。国連採用担当官を始めたばかりの頃は、時代を反映してか、某国の諜報機関出身または在籍中、とささやかれる輩も多数いた。

民間企業出身で注目を集めるのは著名企業出の人で、マイクロソフト、グーグル、BBCなど後光がさすようだが、大抵はジュニアレベルか途上国勤務経験者。

珍しいところでは芸術家。元クレージーホースのダンサーやコンサートソリスト、歌手などもいるので驚く。国連勤務中は埋もれている才能だが、たまのパーテイやオーケストラで発揮できる場合もある。

またもとミス云々が比較的多いが、噂だけで事実チェックをしているわけでなく、なぜこの人が、とマジマジ見てしまうことも。

コンサルタントや短期採用者に至っては、正式職員と違いシビアな身元照会をするわけではない。著名フランス男優の肉親だったり、実はインターポールの指名手配リストに乗っていた人などと、サプライズもある。

個人の知りたくもない過去にびっくりする度、改めてキャリアの深さ面白さを感じる。

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前置詞のいらない動詞

国際機関への応募書類作成中「この動詞には前置詞が必要?」と疑問を持ったことはないだろうか。前置詞不要な動詞に前置詞を付けてしまうエラーは、履歴書やカバーレターによく見られる。

前置詞不要な動詞transitive verb(他動詞)は典型的に直接の対象(目的語)を持つか、目的語に影響を与え、S(主語) + V(述語) + O(目的語、節、句) 型をとる。

She entered the building.

目的語を取らない自動詞intransitive verbは主語自身の動きを表しS(主語) + V(述語)型だが、動作を他に及ぼしたい場合は前置詞を追加。

I agree.

I agree with you.

英文では一般的に他動詞使用SVOケースが圧倒的。だが自動詞にも他動詞にもなる動詞も多く、区別を複雑にする。応募書類上で目立つ間違いをあげてみた。

REQUEST FOR

他動詞なのでFORは不要。REQUEST を名詞として使用すればFOR要。

They requested a formal meeting.

  They made a request for a formal meeting.

SEEK FOR

他動詞として使う場合FORは不要。

I am actively seeking jobs.

EMPHASIZ(S)E ON

他動詞なのでON は不要。名詞形EMPHASISを使用する場合はON要。

They emphasized the risk.

  They put emphasis on the risk.

COMPRISE OF

他動詞 でOFは不要だが受動態になるとOFが付く。

Our staff comprises many nationalities.

  Our staff is comprised of many nationalities.

他動詞に前置詞をつける間違いはネイティブにもある。前置詞要不要が判断しにくい場合は英英辞書を参照することがお勧め。キャリア国際機関の添削サービスも利用してほしい。

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